第百四話 牛コ賢さん no-side ページ29
端っこでガタガタ震える敦。
そりゃそうだ。
「クソおもしれぇ!お前ら警察か?」
「いえいえ、僕達は武装探偵社です」
そう言って探偵手帳を見せる賢治。
するとすぐそばにいた男のチェーンに賢治が気づく。
「へぇ!いい鎖ですね!牛を牽引する時のために持ち歩いてるんですね!」
絶対違う。
「触んな!」「何が狙いだ!」
「いやー、みなさんが犯人か教えてもらいたいんですよ」
するとその場の全員が一瞬ニヤッとする。
「そんな話は知らねぇなぁ、なぁ?」
と。
笑い声すら聞こえるが……
「そうですか、それは失礼しました!」
「えぇ!?」
「「「はぁ?」」」
「ご協力ありがとうございます」
そのまま賢治はその場をあとにする。
「ちょっと賢治くん!?どう考えても嘘でしょ!あいつらが犯人だよ、例えば敵組織の人間を始末するために爆弾を使ったとか!」
「でも知らないって言ってましたよ?」
「確かに言ってたけど……」
「牛でも人でも、村でも都会でも、素直に話せば通じ合えるものです僕はこのやり方で失敗したことがありません」
「本当に?」
「はい!」
「……それもそうだね!」
完全に敦の頭は春だった。
「一度戻りましょうか。」
「そうだね!」
ぐうぅ、と賢治の腹の虫が昼頃だと示す。
「帰りに牛丼屋さんに寄りましょう、お腹すいちゃいました」
「賢治くん……牛飼ってるのに食べられるの?」
「牛は大好きですよ、飼うのも触れ合うのも食べるのも!」
その瞬間2人を2台のワゴン車が囲む。
「敵対メンバーを殺すためだった爆弾を、まさか探偵如きに嗅ぎつけられるとはなぁ……大した尋問もなく帰ったってことは何か決定的な証拠を見つけたか?」
「サツに密告するつもりだな、そうはさせねぇ」
すると賢治はぱんと手を合わせ、
「そうですか、本当のことを話すために御足労頂くなんて、嬉しいです!」
と云う。
これにはギャング達も頭にはてなマークが浮かぶ。
「やっぱり正直に話すと分かり合えますね、僕の担当した事件では、皆さんこうやって素直に告白していただけるんですよ。」
「なぁんだそうなんだ」
その瞬間賢治の頭を鉄パイプが襲う。
殴られたのだ。
地面に倒れ込む賢治。
「まず一人ィ……」
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タイトルですが、石コ賢さんが元です
第百五話 雨ニモマケズ no-side→←第百三話 有頂天探偵社 no-side
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死神参謀凶華(プロフ) - 神楽さん» ありがとうございます!!続編絶賛考えてます! フォローありがとうございます!! (2018年10月14日 10時) (レス) id: 49037b932f (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - 続編ですか!おめでとうございます!楽しみに待ってます!P.S.Twitterフォローしました (2018年10月14日 10時) (レス) id: 7244bac494 (このIDを非表示/違反報告)
死神参謀凶華(プロフ) - りとさん» ありがとうございます!頑張ります! (2018年10月6日 17時) (レス) id: 49037b932f (このIDを非表示/違反報告)
死神参謀凶華(プロフ) - 紅月さん» 中也さぁぁぁん←変換欄を殺して頑張った続編をお楽しみあれ…… (2018年10月6日 17時) (レス) id: 49037b932f (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも楽しいお話を待ってます! (2018年10月6日 17時) (レス) id: 892238b735 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凶華 | 作成日時:2018年10月6日 17時