12話 ページ12
打ち合わせが終わって、スタッフの皆さんが席を立つ。
私達も帰ろうと、
会議室を出てエレベーターを待っていた。
凌と長野は、この企画結構上手く行くんじゃないかと盛り上がっている。
私はその少し後ろで下を向いていた。
結局吉沢くんとは話すことができず…
またあの日と同じ後悔をしてしまった。
それ以前に、今吉沢くんの隣に立ってるのは、
誰が見ても目を盗まれるほど可愛い杉咲花ちゃんがいる。
2人は楽しそうに会話をしながらエレベーターに並ぶ私達の後ろに立った。
…っ、結構近くない？
すぐ後ろに人の立つ気配がある。
花ちゃん？…それとも、
杉咲「…あっ、腕時計置いてきちゃった！」
吉沢「花ちゃん天然すぎ。笑
取ってきな。」
なんとも可愛らしい会話の後、恐らく花ちゃんがさっきの会議室へ走っていく音が聞こえた。
背後の気配は消えていない。
貴方(…付き合ってるのかな…2人)
勝手に会話を盗み聞きしておいて、
勝手に落ち込んでる。
吉沢「……目、何で合わせてくれなかったの？」
貴方「……っ！？」
ふいに耳元で囁かれ、驚いて耳を押さえて振り向く。
振り向いたすぐ目の前には、あの綺麗な顔が。
私の背に合わせるように、前屈みになって目線を合わせている。
吉沢「居酒屋の時の彼氏さんと一緒に仕事してるんだね？」
彼から発せられる声はいつもより少し高めで子供に話しかけるような口調、
目は煽っているような感じ。
貴方「…え、あの、…」
どの表情も魅力的で煽情的で、彼氏じゃないのに何も言えなくなってしまう。
エレベーター早く来て、と思っているとすぐ、
チンッとエレベーターが到着する。
扉が開いてみんなが乗っていくと、慌てて私も乗り込む。
桃山「あ、吉沢さんは乗りませんか？」
エレベーターの前で立ったままの吉沢くんに、
凌がそう問う。
吉沢「あぁ、俺花ちゃん待ってないといけないから、気にせず行ってください。」
凌の後ろから覗くように彼を見ると、
ポケットに手を入れて、余裕そうな表情を浮かべて
こちらに手を振っていた。
ドアが閉まって、やっとちゃんと息が吸えた気がした。
桃山「やっぱ俳優はオーラ違うわ」
長野「カッコ良かったっすね〜
脚も長かったし！」
2人の会話の中、
さっきの吉沢くんの顔が忘れられず、
ずっと1人で顔を赤くしていた。
.
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synk - 一気読みしてしまいました！最高でした！もう更新の予定はないのでしょうか…？続きが気になります。頑張ってください！ (2021年11月1日 3時) (
レス) id: ffd759584a (このIDを非表示/違反報告)
�豈� - また続けてのコメントですみません。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 34話のここの部分 私はというと、吉沢くんの気持ちに気付いて 胸を抑えて動かないでいる。 これ正しくは吉沢くんへの気持ちに気付いてではないんでしょうか？ (2021年10月4日 1時) (レス) @page34 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
�豈� - 続けてのコメントですみません(>_<) これ正しくは私の家に泊まらせるわけにはではないんでしょうか？ (2021年10月4日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
�豈� - こんばんは(*^^*) 夜遅くにすみません｡｡｡ お久しぶりです(笑) 物語読んでいて気が付いたのですが...。 33話のここの部分 佐伯くんとはマネージャーさんのことだろうか。 分からないけど、とりあえず私の家に泊まるわけにはいかない。それは阻止しないと！ (2021年10月4日 1時) (レス) @page33 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
�豈� - またまた続けてのコメントですみません。 物語読みました。 続きが気になります。 更新待ってますね。 (2021年9月9日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：二の腕 | 作成日時：2021年8月1日 21時
