49話 ページ50
.
「私は、っ……どうしようもない、!…
…もういっそ、消えてしまいたい…」
レト「そんな事ないよ!!Aちゃんは頑張ってるじゃん!Aちゃん!大丈夫だから!!」
なんて声をかけてあげればいいのか分からないなりに彼女を落ち着かせる
それでも泣き止まない彼女に向かって俺は無理やり肩を引いた
グッと身体が近付いて両腕で彼女を抱きしめる
「…!、」
レト「大丈夫、大丈夫だから落ち着いて。
Aちゃんが頑張ってるの俺は知ってるよ、だからそうやって自分を責めないで。」
「……っ、…」
ギュッと背中に温もりを感じる
彼女が俺の背中に手を回して泣きついている
ゆっくり背中を摩って落ち着くまで何時までも優しい言葉を投げかけた
すっかり辺りが暗くなった時、彼女から離れ、再びすみません。と一言謝った
レト「……こんなとこに居たら風邪ひいちゃうよ、帰ろっか。」
そう言うとAちゃんはコクンと頷いた
彼女の冷たい手を取ってしばらく考えた末に自分の上着のポケットに突っ込んだ
「!」
レト「こっちの方が暖かいでしょ、…よし、帰るか!」
「ま、待って…下さい…」
レト「……?」
「……その、、なんで、ここまでしてくれるんですか?」
レト「え……それは、」
それは、
なんでだ?
グルグルその質問の意味を飲み込みながら自分の気持ちと今までしてきた事を混ぜ合わせて考えたが、ずっとこの気持ちは分からなかった
「あ、…だって…っ、ずっと私の事嫌いって」
嫌い
_______その瞬間、キヨくんに言われたひと言を思い出した
.
『レトさん…Aの事、本当は好きなんでしょ?』
.
レト「………、」
「…い、いやその…すみません!意味わかんないこと聞いて…
帰りま、」
彼女が歩き出す前に繋いだ手にギュッと力を込めて1歩近づき、
ゆっくり目を閉じて優しく唇を奪う
柔らかく温かい感触に自分のしてることを再度理解した
そしてやっと自分の気持ちに気付いた
.
.
.
レト「…好きだよ。」
「…………
……え」
.
237人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こころ(プロフ) - 尊すぎて吐きそうです!最高すぎます!大好きです!これからも応援しておりまーす!!! (2020年4月26日 18時) (レス) id: 6aceb657ff (このIDを非表示/違反報告)
あやか - 新作めっっちゃ嬉しいです! ナヲルさんの作品どれも大好きなので楽しみです! (2020年2月11日 21時) (レス) id: d702a025e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ