47話 ページ48
「レトさん…、なんで?」
振り返ったAちゃんはいつもとは別人の様な、冷たい雰囲気を纏っていた
レト「こっちのセリフだよ…!何してんの!」
彼女の腕を掴んで砂浜に戻す
酷く冷たい、風邪引いてるってレベルじゃない…
彼女を引き連れ、ベンチに座る
隣に座ったAちゃんは未だにボーッと海を眺めて、こちらなんて見ようともしない
レト「ど、どうしちゃった…の…?」
駆け付けた時、明らかに様子がおかしかった
まさか…死のうなんて思ってないよね……
「……どうした……って、、……あぁ…そうか。。」
普段のアホみたいな口調とは打って変わって淡々と言葉を発する
本当に隣にいるのはいつも笑顔でヘラヘラしてる馬鹿なAちゃんなんだろうか。
俺には…別人と話してる気分になる。
「……変わっちゃった……ってレトさんは思ってるかもしれませんが、、
普段が変わってるだけですよ。素はこっちです。」
レト「え……っ……、、」
どういう事か飲み込めずに彼女はこっちを見た
「皆にはこの事、言わないで下さいね。」
ゆっくりと微笑んだ彼女と目を合わせ、俺もうん、と頷く
言ったらどうする?なんて聞けない。もし俺が皆に言いふらしたら、多分彼女は居なくなっちゃう気がして。
「どうしてここに?」
レト「え、AちゃんがLINE送って来たから……」
「…送ったっけ…」
レト「無意識なの…」
「記憶にない…、まぁいいや……。まだここに居ますけどレトさんは?」
レト「……いる、久しぶりに会えたし…今のAちゃんを放っておけない」
「はは、心配性ですね。……いつもみたく接しませんけど良いですか?」
レト「うん…。素の方で話して欲しい」
「…………変わってますね…。」
呆れた様に笑った彼女に愛想笑いをする
変わってる、その言葉の意味をまだ俺はちゃんと理解していないけど、Aちゃんは教えてくれるのかな。
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