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36話 ページ37

レトルトside



ついにこの日が来てしまった。


Aちゃんはこっちに目配せするものの話し掛けてはこない
どうしよう、めっちゃドキドキしてこっちからも声掛けられない…


キヨくんは彼女の事が好きだと言ったが普段と変わらない態度で接しているようだ。

なんでそんなに普通に話せるんだろうか、俺なんて距離詰められる事も今は緊張してしまう始末



「……はぁ…」


優雅にスイスイ滑っているように見えたAちゃんは、何処か辛そうで顔が青白い

気のせいかと思ったがあの汗の量は普通じゃない。


……なんでも我慢して、他人のことを優先するのは彼女の悪い癖だって、この間ようやく知った


慣れない足取りで彼女の元に行く


レト「Aちゃん」

「?…どうしました?」

レト「…こっち。」


思わず彼女の手をとってしまったが、気にせず近くのベンチまで誘導する

横目でキヨくんがこちらを見てるのが分かる



「あ、えっと……」

レト「…こんなに手汗びっしょりで本当に何ともないの?」


握っている手を目の前に、座った彼女に問い詰める


「…はい、緊張してるだけで全くなんとも…」


レト「嘘ついたらAちゃんと二度と遊ばないからね」


「えっ!?そ、そんな…っ」


レト「嘘なんでしょ、体調悪いの?」



その問い詰めに暫く黙って、ゆっくりと頷いた彼女


「ごめんなさい…本当にすいません…」


はぁ…と俺がため息をつくと頭を下げたまま、謝り続けたAちゃん


「で、でも少し休めば大丈夫です!ですからレトさんはあちらで…」


レト「駄目。俺もここで休む」


「えっ、それだと動画が…」


レト「あのね、Aちゃん。」



焦った彼女を落ち着かせて、再び手を握る



レト「俺から1つお願いしたいんだけどさ……

自分のことを放ったらかしにしてまで、他人の心配するのはやめて欲しいな。」



「…そ、そんな…つもりじゃ」


レト「ううん、無意識かもしれないけどAちゃんは俺達のことばかり考えすぎだよ。和を乱したくない気持ちは分かるけど……

Aちゃんはもうちょっと俺達に我儘になっていいんだよ?」



初めてだ。

初めて彼女に優しく慰めの笑顔を向けた

未だに心臓バックバクでたどたどしいのは変わらないけど。



するとAちゃんはボーッとこちらを見て反応を示さない


声をかけると、あ、すみません…と再び頭を下げた


そして小声で、ありがとうございます。と言ったのが聞こえた



.

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こころ(プロフ) - 尊すぎて吐きそうです!最高すぎます!大好きです!これからも応援しておりまーす!!! (2020年4月26日 18時) (レス) id: 6aceb657ff (このIDを非表示/違反報告)
あやか - 新作めっっちゃ嬉しいです! ナヲルさんの作品どれも大好きなので楽しみです! (2020年2月11日 21時) (レス) id: d702a025e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナヲル | 作者ホームページ:作者名からどうぞ  
作成日時:2020年2月5日 17時

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