【MSS.P】俺らのツンデレ姫の話する？ 2nd

▼64 ページ22

最近の私は何だか変だ。


何が変かって言われると分からないけど、確実に何かが変。


普段はどうってこと無いんだけど、


いや、どうってことあるのかも。


それは、突然起こる。


まずは、この前廊下できっくんに会った時。


────……


「Aおっはよ！」
「あ、きっくんおはよう」


ポンと後ろから肩を叩かれて、叩いてきたきっくんを見やる。


少し眠そうにふにゃりと笑った。


「あ、これ飲む？」
「ピーチネクター？」
「あげる。俺桃だめなの」


「そうなんだ」って言ってピーチネクターを受け取ると、なんでダメなのに買ったんだろうと思った私の疑問が伝わったのか、きっくんは話を続けた。


「あろまがね、嫌がらせでくれたの」


その名前に汗を流す缶を指で撫でていた手が滑り、落としそうになるのを間一髪でキャッチ。


きっくんも慌てて取ろうとしてくれて、手が触れた。


「大丈夫？」って笑ってキュッと小さく手を握られた。


どうしてだろう、こうやって優しい目を向けられてるのに浮かぶ顔は違う。


「……あ、えと、嫌がらせ？」
「あー、うん。昨日あいつらとゲームやっててその時にあろまに色々やったからそれの仕返しで」


「喉乾いたーって言ってる俺に「なんか買ってやるよー」って自販機行ったかと思ったら「あ、間違えたー」って言いながらネクター押してた。あからさますぎるわーって！」


「だからあげるねー！」ってきっくんはキラキラな笑顔を残して自分の学年の階にかけて行った。


無意識に、私が直接貰ったわけでもはいピーチネクターをぎゅっと握りしめた。


手の中にじんわりと缶の水滴が広がる。


……おかしい。

▼65→←▼63

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す