▼74 ページ32
「ちょっと、きっくん?どこ行くの…!」
「いいからいいからー!」
みんなが校庭に集まって後夜祭を楽しんでいる中私はきっくんに腕を引かれ廊下を走っている。
ほんの数秒前まで私もまりえと校庭で後夜祭の空気の中にいたけど、いきなり現れたきっくんに、行こうと手を引かれまりえを見ると「頑張れ!」と全力で応援された。
何を頑張るの?と困惑しながらも、でも確かにさっききっくんは “後夜祭一緒に過ごそう?” と言ってたなと何だか納得してた。
いつまで走るのかと思っていると、ひとつの教室の前で急に足を止めてその扉を開いた。
「お待たせ!」
「遅いじゃねーかよきくお!」
その教室にはスマホ片手に窓際に寄りかかるFBくんがいた。
「あれ、えおえおは?」
「まだ来ねーんだよなー」
二人はあーだこーだと私を置いてけぼりにして話を続ける。
「連絡する?」
「迷ってるかもだしな」
「学校で?」
「それはないか!」
ドッと笑いが起こる。二人なのにドッと。
一通り笑い通してお互いにふぅ、と一息ついてふと私の方に目を向ける。
そして揃って「あ」と声を揃えた。
絶対私のこと忘れてましたよね?ねぇ??
「…何か企んでる?」
「ええ!意外とAちゃんって鋭いの?!」
「失礼な!二人が揃ったら何となくわかるから!」
またドッと笑い出す二人。
私もつられて笑ってしまう。
ガラッ。
「…は?」
扉の開く音と間の抜けた声に振り向くとそこにはあろまくんとえおえおくんの姿。
「頑張ってね!」
「きっと大丈夫!」
FBくんときっくんが私の肩と頭にポンと手を置き小さく声をかけて教室の外に出て行く。
そんな二人を目で追っているとそのまま入り口に立っていたえおえおくんと目が合う。
すると彼は軽く手を挙げて「頑張れ」と口を動かした。
それが合図かのようにFBくん、きっくん、えおえおくんの三人はとびきりの笑顔を向けて去って行った。
165人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
有馬(プロフ) - げふりーるさん» はじめまして、作品を読んでいただきありがとうございます。そう言ってもらえると書いた甲斐があります。とても嬉しいです(;_;)ありがとうございます!! (2018年11月14日 17時) (レス) id: 803c666fd8 (このIDを非表示/違反報告)
有馬(プロフ) - 007さん» いつもありがとうございます!新作もよろしくお願います(o^^o) (2018年11月14日 17時) (レス) id: 803c666fd8 (このIDを非表示/違反報告)
げふりーる(プロフ) - 初めまして。完結おめでとうございます!最初から最後までドキドキしながら読ませていただきました。この様な素晴らしい作品に出会えて本当によかったです。 (2018年11月12日 19時) (レス) id: db287560ed (このIDを非表示/違反報告)
007(プロフ) - ついに完結…おめでとうございます!あろま先生落ちも、恋叶わないけど応援してくれる男子も、ツンデレちゃんも大好きなんで、最高!って思って読んでました!なんだこのぽっかりと穴があいた感覚…まぁいいや。今作も面白かったです!新作楽しみです!応援してます! (2018年11月12日 1時) (レス) id: 378ccf97ed (このIDを非表示/違反報告)
有馬(プロフ) - 007さん» ありがとうございます!(*^ω^*) (2018年11月1日 18時) (レス) id: 803c666fd8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:有馬 | 作成日時:2018年10月17日 0時