元鬼狩りと刀 参

134《お年玉》 ページ34

あれからまた数日経ったある日の昼。


花｢はぁ〜．．．｣

柊｢お、いたいた。｣

花｢！柊さん！Aさん！｣

『明けましておめでとう。』

柊｢おめでと〜｣

花｢おめでとうございます．．．｣

『はは、何やら疲れてるね。』


二人が七花の近くに腰を下ろす。


花｢ふとお正月にあったことを思い返したら、また来年もあるのかぁって．．．｣

『？何かあったの？』

花｢お年玉です．．．｣

柊｢お年玉？｣

花｢はい．．．年明けに、男士たちがお年玉を配り始めてですね．．．｣

柊｢おう｣

花｢もはや交換にも近かったんですけど．．．
幕末の刀達は、若い方じゃないですか．．．｣

『そうだね。』

花｢見目の若い短刀や脇差の方々からも、幕末の方々はお年玉をもらったみたいで、主に和泉守さんが落ち込んじゃって．．．｣

柊｢あぁ．．．｣

『なるほどね．．．』

花｢しかも、私まで頂いちゃって．．．ちょっと色々とてんやわんやだったんです．．．｣

『それは大変だったね。』

柊｢なるほどなぁ．．．
うちはもう好きにやらせちゃってるから、幕末の奴らも大分慣れた様子だけど．．．
Aんとこはどうしてんだ？｣

『ん？うちは許可制だよ。』

花｢き、許可制．．．？｣

『うん。
飛び交う金額が物凄いことになるだろうし、幕末の子ら含めてんやわんやするだろうなとは思ったから．．．
誰が誰にあげたいのかを、前もって私に伝えてもらってるんだ。それで許可をだしたらにしてもらってる。』

柊｢．．．大変だな。｣

『まぁね．．．基本は刀派や来歴で関わりのあるところ、あとは仲が良いところで収めてもらってるよ。
小烏丸は皆にあげてるけど。』

柊｢なるほど．．．
てか凄いな小烏丸．．．流石全刀剣の父．．．｣

花｢私も許可制にしようかな．．．｣

『はは、良いと思うよ。
少なくとも和泉守が短刀からお年玉をもらって複雑な心境に陥ることは無いと思うよ。』

花｢ありがとうございます！来年から取り入れてみます！｣

『うん。』

柊｢．．．その場合、粟田口のお年玉はどうなってんだ？｣

『んーと、一期は全員にあげてるね。
あとは薬研とか厚とか、後藤とか、乱辺りも弟らにあげてる。骨喰と鯰尾もだね。』

柊｢なるほど．．．｣

花｢．．．刀剣男士の方々へは、どうされてるんですか？｣

柊｢俺はあげてないね。歳上しかいないし、多すぎる．．．｣

花｢ですよね．．．！｣

『．．．．．．私皆にあげたな．．．』

花･柊｢｢！？｣｣

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