元鬼狩りと刀

012《お館様》 ページ12

睦｢．．．目が冴えてる感じじゃないのう。｣

『とても眠いよ』

睦｢んじゃどいた？｣

『こうして並んで寝るのは初めてだから、少し楽しいんだ。
それと純粋に寒くてねw』

睦｢初めて．．．｣

日｢(主様には家族がいらっしゃらなかったからな．．．私の知る限りでは．．．)｣

睦｢！｣

日｢(あったとしても、記憶に残らないうちだったのだろう。
現在は分かりかねるけれど、きっと共に眠ることはなかったのだろう．．．)｣

睦｢そういうことがか．．．｣

『？』

睦｢ま、ひやいなら寄ったらええ。ほれ。｣

『．．．！！
ありがとう、むつ。お言葉に甘えるよ。』

睦｢おん！｣


陸奥守が布団を上げ、手を広げるところに入る。


『(暖かいな．．．元は刀とは思えない程に．．．)』


布団が二重で被せられると、すぐに眠りについた。


日｢(．．．．．．)｣

睦｢．．．羨ましいなら顕現してもろうたらえいじゃろう。｣

日｢(．．．いつか、な。)｣

睦｢．．．ほうか。｣


陸奥守もすぐ、眠りについた。

そして明け方。


五｢ふふ、あるじさまと陸奥守さん、仲良しです。｣(ｺｿ

前｢暖かそうですね。僕達ももう少し眠りましょう。まだ暗いですし。｣(ｺｿ

五｢うん｣(ｺｿ


二人が再び眠りにつこうとしていたところ。


『．．．ｸﾞｽ．．．ｸﾞｽｯ』

五･前｢｢！！｣｣

五｢これって．．．｣(ｺｿ

前｢主君、ですかね．．．｣(ｺｿ

『ｸﾞｽ、……様．．．』

前｢．．．？｣

『．．．．．．ｸﾞｽｯ．．．お館様っ．．．』

五｢おやかたさま．．．？｣(ｺｿ

『なん、で．．．お館様っ．．．．．．ｸﾞｽｯ』

睦｢．．．｣(ﾊﾟﾁ

前｢お館様って、一体．．．｣(ｺｿ

『ｸﾞｽ．．．ｸﾞｽｯ．．．お館様ぁっ．．．』

睦｢．．．主の元主かえ？｣(ｺｿ

日｢(．．．そのような方だ。)｣

睦｢ほうか．．．｣


それから少ししたら落ち着いた。


五･前｢｢．．．｣｣

五｢あるじさまの、あるじさま．．．｣(ｺｿ

前｢前の主君を亡くしたことがあるのは、僕達だけでは、ないのですね．．．｣(ｺｿ

睦｢起きちょったんか。｣(ｺｿ

五｢はい．．．少し前に．．．｣(ｺｿ

睦｢．．．まだ夜は明けんき、もうちっくと寝ちょき。｣(ｺｿ

五･前｢｢はい．．．｣｣(ｺｿ


夜が明けて起きても、夜のことについて聞かれることは無かった。


『おはよう』

睦｢おはよう！｣

五･前｢｢おはようございます！｣｣

睦｢今日は何するがか？｣

『とりあえず朝食。』

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