五条先輩がスッゲェムカつくけどなんとか耐えようとしてる後輩の話

26 そういう所よお互いに ページ27

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後輩が俺に向かって初めて声を荒げて
思わず止まってしまった。


後輩は泣きながら部屋に帰った。



【嫌いだ】という言葉が頭に焼き付く。



「…別にオマエごときに好かれなくたって充分足りてるっつーの」



そんな声が漏れたけど

誰に言い訳してんだ、俺。




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あれから暫く時間を潰して部屋に戻ると
アイツは椅子の上で丸まって寝ていた。




…分かってるっつーの。

任務の内容も書類も全部把握できていた。
他の補助監督志望の奴よりも仕事が早い。

寝不足なのは…その準備のせいだって。



最初は一条だからっつー理由で絡んでみた。
思った以上にポンコツで弄りがいがある、そんな印象だった。

けど気づいたら、バカなくせにどんな事にも全力でついて行こうとするその姿に目が離せなくなっていた。放っておけなかった。



何でさっきコイツがこんなにキレてたのか
俺には分かんねーけど。




「…悪かったって」




やっぱコイツの泣いてる顔は嫌いだ。




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「…やっぱり椅子は痛ぇな……って」



軽く寝て目を覚ますと



まだ明るく無いのに
ベッドに移したはずのアイツの姿は無く
パジャマも綺麗に畳まれていた。



…荷物もねェ。

机の上には



【先に帰ります 一条】


そう書かれた紙があった。



…ムカつくな。
意地張ってんじゃねえよマジで。



罪悪感より沸々と怒りが上回ってきたわ。

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