＊１話 ページ2
入学式。新しい制服に身を包み、今日から始まる新しい学校生活に胸を躍らせる新入生…
そんなさわやかな入学式とは程遠い現状。
戦いの火蓋が切って落とされたとばかりに他者に値踏みするような視線を向けるクラスメイト達。
正直言って怖い。
まぁ家の期待を背負って入学してきているのだから仕方ないよなーと思いながらも教室に充満するピリピリとした空気が落ち着かない。
現在教室には女子のみが入室している。ここで私たちは担任の先生から【番】についての講義を受けている。
【番-つがい-】とはいわゆる結婚相手のこと。吸血鬼と人間の婚姻関係を番と表現する。
吸血鬼はなぜか男しか産まれないため、人間の女性と婚姻関係を結ぶことでその存在を維持し続けてきた。
吸血鬼は見た目は人間と変わらないが美しい顔立ちをしている人が多い。そして能力の高さも相まって政界や経済界に力を持つ家も多いのだ。
そんな吸血鬼と番うことで家通しの関係を結び、自分の家や会社を成り上げようとするしている人間が己の娘をこの学校に入学させているのだ。
しかしそれだけでは満足に人数を集められないわけで、この学校には特待生と呼ばれる制度がある。表向きは成績優秀な一般学生が授業料や生活費を保証されて入学することができる制度である。
しかし実際は家が困窮している家庭や両親がいないため高校進学が難しい女子学生が高校を卒業するために入学している実態がある。
そんな特待生は吸血鬼側から番に選ばれた場合拒否することができない、といったルールがある。
一般学生はそれぞれの合意のもと番として契約を結ぶ。どちらかが拒否すれば契約を結ぶことはできなくなる。しかし特待生は「吸血鬼の番になること」を約束して、学費や生活費等一切の援助を受けて入学しているので選ばれると断ることはできないのだ。
そして今講義を受けながら「どうすれば目立たずに吸血鬼に選ばれないで卒業できるのだろうか」と思考を巡らせている私は、もうお分かりだろうが特待生として入学した。
両親はおらず、育ててくれたおばぁちゃんも昨年他界。一人ぼっちになってしまった私は何とか高校は卒業したいと思って支援制度を調べまくった挙句たどり着いたのがこの学校の特待生制度だった。学費免除な上に生活費も支給される、と知って私はこの学校の特待生制度を利用することに決めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 677人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「wrwrd」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Noa(プロフ) - ねう。さん» ありがとうございます！趣味全開ですが今後もお付き合いいただけると幸いです！ (2022年12月16日 0時) (
レス) id: 7c93d56916 (このIDを非表示/違反報告)
ねう。(プロフ) - あーだめだもうむりしんどい何回読み返してもしんどいドキドキですやばいです主様の作品雰囲気大好きすぎます泣泣 これからも応援してます！更新楽しみにしてます！ (2022年12月15日 18時) (レス) @page36 id: dee5bda7f0 (このIDを非表示/違反報告)
Noa(プロフ) - たぴくんさん» コメントありがとうございます！自分の趣味が全開ですが皆様にも楽しんでいただけるよう精進します！ (2022年12月11日 10時) (レス) id: 7c93d56916 (このIDを非表示/違反報告)
たぴくん - この作品大好きです！応援してます！更新頑張ってください୧⃛(๑⃙⃘⁼̴̀꒳⁼̴́๑⃙⃘)୨⃛ (2022年12月3日 12時) (レス) @page22 id: 5e1b4af05d (このIDを非表示/違反報告)
Noa(プロフ) - 九十九夜瑠さん» コメントありがとうございます！毎日更新できるように頑張ります(*´ω｀*) (2022年11月26日 19時) (レス) id: 7c93d56916 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Noa | 作成日時：2022年11月18日 20時
