Narr (ページ16)

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Narr ページ16

yt「…知らない」

　

俺は咄嗟に嘘をつく

ar「知らないか…裕翔なら知ってると思ったんだけどな」

大ちゃんは写真をしまう

yt「今のは誰なの？」

ar「金田一。

今日起きた事件の重要参考人で逃げてるから追いかけてる」

大ちゃんはそう言いながらコーヒーをまた飲む

yt「それ…俺に言っていいの？」

ar「しかも、誰かに電話してるときに言ってた言葉がある。

裕翔、お前の名前だよ」

心臓がドク…と跳ね上がる

ar「金田一は川から飛び降りた。

そのときに盗聴器をつけさせてもらった。

それで誰かへ通話しているのが聞こえて耳をすましてたら『裕翔たち』という言葉が聞こえたんだ。

裕翔、金田一を知ってるだろ？」

…動揺が隠せない

yt「それじゃ…家に来たのは」

ar「それは偶然。

ここら辺で似たような男を見たっていう通報があって聞き込んでみるかって思ったら裕翔たちがいたんだ」

俺は…天を仰いだ

yt「そっか…残念だよ、大ちゃん」

ar「裕翔…もしかしてお前は」

yt「自信満々なんだね、声がそんな色してるよ」

大ちゃんは黙った

ar「裕翔、それは自白としてとっていいんだな？」

yt「好きにすれば？

でもさ、大ちゃん」

俺は立ち上がる

yt「ホシから出されたものを簡単に口にしちゃダメだよ」

ar「…は？」

大ちゃんも釣られて立ち上がる

けれども、すぐに倒れる

yt「睡眠薬。

即効性あっても体中に回るのに数十分は要するからね、大ちゃんを寝かせるために色々引っ張ったよ」

ar「裕…翔」

大ちゃんは俺を睨む

yt「大ちゃん、今度会おう時はもうないかもね。

【ズィーベン】は警察上層部を狙うけど計画の邪魔をする奴も殺そうかなって考えてるからさ」

俺はそう言って応接室から出て鍵をかける

そしてリビングに向かった

知念にも毎日同じものを飲ませてる

だからぐっすりだ

俺は必要最低限の荷物を自分の、やまの、知念のに分けて車に積み込む

yt「知念、ここから逃げるよ。

やまも迎えに行かなきゃいけないしね」

俺は知念を抱えて車に乗せた

そしてやまに電話をかける

ym『…見つかったか』

yt『今からそっち向かうね、少し待ってて。

後、盗聴器壊しといて』

しばらく離れた後、あるスイッチを押す

今まで暮らしていた家を爆破したのだ

ここから【ズィーベン】は…さらに変わるよ