青鬼と仙人掌 ページ33
前世と前前世の両方をもつらだーおとつぼーら。前世のことは言うけど、前前世のことは言わない。だけど、知り合いとばったり出会っちゃった！
「ぐちつ………いや、なんでもない。」
「アオセン？？？アオセンまちがえましたねぇ？？？？
………らっだぁサーーン？」
「ごめんてごめんてごめんて」
「流石に勤務中はやべえなぁ」なんて笑ってる彼は壺浦匠。
彼のまたの名をぐちつぼ。彼は俺の前世と前前世の友人だ。
彼とは前世からの仲だとは公言しているが、実は前前世からの仲だったりする。
前前世では、昔この街で犯罪者をしていたからバレたらまずいので、公言していないのだ。
まあ別に、聞かれたら言うけどね！がは！
「壺浦〜、また今度1v1しね？」
「いいッスよ〜。最早今からやらね？」
「いいねぇ〜。
それじゃ、いつもみたいにやるかぁ！」
そう言って、俺等は一旦退勤した後に服を着替えにいった。
服を着替え、仮面を被り、ボイチェンを使い、口調も前前世と同じにして、警察官の青井らだおと壺浦匠だってわからないようにする。
そして、街のど真ん中でやることではないが、両者ナイフを構える。
「よーーい、どん！」と俺が言ったと同時に彼の首元を狙うが、もういない。
相変わらず速いな。
後ろから何かが近づいてくるので距離を取る。
あともうちょっとでナイフでぐさりだったよ、あぶねえな。
あれ、俺等以外の足音が聞こえるな。
まあ街のど真ん中だしそりゃそうか。
「………何をしているんだ？」
心地よい、聞き覚えのある低音。
思わず俺もぐちつぼも足を止める。
俺等を目を合わせて、「これまずい。」って思った。
声には出さないけど。
「ここは、うちのシマなんだが。」
「いや、まぁ………いっかなぁ……って。」
「いいわけないだろう。」
銃口を向けられる。
終わった、やっばい、どうしよう……
焦っていると、ぐちつぼが両手をあげて「ア〜、降参！！ギャングのボスとしての覇気がすげえよ。」と言う。
それにあわせるように俺も両手をあげ、「俺も無理〜。ヴァンさんの圧が怖いわ。」と言う。
「………君等の正体を教えてくれないか。」
「ェ〜………俺は無理。俺の実力バレたら嫌だし。」
「俺のほうがもっと無理だし〜、ヴァンさんに弱み握られるのヤダ。」
「じゃあ俺か？でも、結局芋づる式でバレるんじゃね？これ。」
「ほんとだ。」
つんだな。
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作者名：miyaoiya | 作成日時：2023年9月23日 18時
