時には犠牲も必要 ページ29
やばい犯罪者たちに人質を理由にひどいことされるつぼーら
いつも通りパトロールをしていると、路地裏に誰かが手錠されて連れて行かれているのを見た。
あの服は、餡ブレラとMOZUだろうか。
多分、部下の人なんだろう。そう思いながらも車から出て、路地裏の方へ向かった。
ごめん、警察署へは行けません。
俺は今、人質を盾にされて、脅されています。
「………人質に手を出さないでほしいんだけど。」
「だったら俺らの指示に従え。」
ウーーン、埒が明かねえな、従うか。
「はいはい。それで？なにすればいいの？」
「武器を置いて上半身の服を脱げ。」
彼らの指示に従い、脱ぐ。
すると、腹に蹴りを一発入れられた。
なるほど、今から俺痛い目に合うってことか。
まあ、日頃の行い悪いもんな〜、なんて現実逃避でもする。
そして、人質になっている人たちがいる後ろを振り向いて、こう言った。
「嫌だったら、目を閉じて、耳を塞いで、何も見ないように聞かないようにしてもいいんですからね。」
そう笑いかけると、彼らは不安そうな顔をしたが、目を瞑ることはなかった。
殴られ、蹴られ、刺されて、撃たれて、首をしめられて。
いっぱい酷いことはされた。
しかも、人生で初めて背中に煙草の火を押し付けられた。
さっき肩パンもされたから、焼きパンしちゃったな。
そんなことを頭の片隅で考えながらも、ボロボロになった俺を見て笑う男たちをじっと見つめる。
そういえば、なんで顔は傷つけないんだろう。
すると、カスどもは笑いながらこう言った。
「じゃあ次は、顔に傷をつけてやるよ。」
ナイフを持って近づいてくる。
警察になったからにはそれ相応の覚悟は必要。
まあ、傷は戦った証でもあるし、人質になった彼らは傷つかずにすむし。
ア〜、俺なんか、よりガラが悪くなっちゃうかもな〜……
目を瞑って受け入れるようにする。
カスどもの笑い声、彼らが息を呑む音、そして誰かの足音。
ギリギリ助かるのかもしれない。
そう思って音がした方を向くと、銃口をこちらに向ける、餡ブレラのボスのアルフォート・ウェスカーと、MOZUのボスのヴァン・ダーマーがいた。
発砲音とともに俺を斬りつけようとしたヤツが倒れる。
敵をなぎ倒していくギャングのボスたち。
その後ろから警察も来ていて、壺浦びっくり。
キャップやアオセンがこちらに近づいてくるので、笑ってこう言う。
「遅刻は駄目ですよ。」
少しほっとした気がした。
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作者名：miyaoiya | 作成日時：2023年9月23日 18時
