・ ページ13
壺浦の家に行くらだお。
いつものような鬼の被り物を外し、ガスマスクをつけ、パーカーを被ってある問題児の家に向かう。
「ちゃんと掃除しとかないと！！！」なんて焦りながら元気よく言っていたアイツを思い出し、少し笑いが溢れる。
楽しみだなぁ。
彼の家の前について、そう呟いた。
インターホンを押す。
「ハァイ！！！！」という元気で煩え声と共に扉が開けられた。
いつもお世話しているような、見覚えのある問題児が「いらっしゃい！」なんて言って家に招待する。
「お邪魔しま〜す。」
そう入ると、扉がしめられたのでガスマスクを外した。
「それ息苦しそうだなぁ………」「俺だってバレたら面倒かもしれないって思ったし……しょうがないじゃん。」「確かに！！」
他愛のない話をしながら部屋に入る。
ソファに座らされ、「ちょっと待ってろ！！」と壺浦はキッチンから飲み物やらお菓子やらを持ってきた。
準備万端そうだな。
映画はどんなのがあるんだろ……
「ぐちつぼ〜、映画のDVDとかってどこにある〜？」
「テレビの下の棚みたいなとこ！！」
「はいよ〜。」
ふむふむ……反応良さそうだしラブストーリー系にするか！
こうやって集まるときのために色々と買ってあるの、俺のこと好き過ぎなんじゃない？なんて少し笑えてしまう。
「結局どれにすんの？」
そう言ってこちらへ近寄ってきたぐちつぼ。
「これにするわ」なんて笑いながらも選んだ物を見せると、「ェー…………ウン、わかったわ。」なんて動揺した姿を見せた。
DVDをセットして二人でお菓子を食べたりジュースを飲んだり、ときには雑談をしたりしながら映画を見る。
あ、キスシーンだ。しかも結構濃厚。
ぐちつぼの方を見てみると、目を逸らしていた。
「どこ見てんの？」
「ウン………まあ、そういう事もあるよな。」
「んふ、大丈夫？」
「お前絶対わかってるだろ。」
睨まれたので次は俺が目を逸らす。
怒った声が聞こえて段々笑えてしまった。
こんな事をするのも楽しいな。
そう思って映画をまた見始めた。
いつの間にか寝ていたようで、目を覚ますとソファで寝っ転がって寝ていた。
ちゃんと毛布もかけられていて、意外と配慮されていた。
ソファの前の方で座ってこちらにもたれかかる彼を見ると寝ていた。
もう少し寝てもいいかな、なんて思い彼を少し撫でた後、「おやすみ」と言って目を閉じる。
「おやすみ」なんて声が聞こえた気がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 37人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：miyaoiya | 作成日時：2023年9月23日 18時
