6、憂鬱な雨 ページ6
天気予報というのは時々外れるもので。
今日は一日快晴と言っていたのに、夕方から雨が降り始めた。
あーあ、洗濯物終わったな。
「A傘持ってきた?」
『持ってきてない』
同僚とそんな話をしながら会社を出た。
会社から駅まではそんな距離もないし、丁度よく小雨だったこともあってそんなに濡れずに電車へ乗ることができた。
このまま小雨で有りますように……
そんな願いが通じるはずもなく、電車を降りれば土砂降りだった。
仕方なくコンビニで傘を買って歩く。
土砂降りすぎて、コンビニから出て数分で靴も鞄もびしょ濡れ。
……最悪すぎる。
なんとかマンションに辿り着いた時には服も濡れて本当に最悪な状況だった。
帰ってすぐお風呂に入ろう。
エレベーターの前には白髪の長身男。
『……こんばんは』
「びしょ濡れだね」
『雨、すごかったんで……車で帰ってきたんですか?』
エレベーターを待っているところに遭遇。
少しも濡れていない五条さんを見ると車から降りて、大事にここまで付き人が傘をさして歩いたに違いない。
「車だよ」
『いいですね、濡れなくて済むし……』
「……ほんと、便利だよねぇ」
また密室で距離が近くなる。
本当に少しも濡れないようにここまで運ばれたんだなぁ……1滴たりとも水滴がついていない。
逆にどうやって雨から完全に守るのか不思議だ。
直径100センチぐらいの巨大傘とか?レインコート着用してるとか?
「A」
『え、あ、はい』
「また考え事してたでしょ」
『……すみません』
向かうところは同じで、それぞれ部屋の前に立った。
「風邪引かないようにね」
『ありがとうございます……五条さんもお仕事お疲れ様でした』
手をひらりと振って部屋の中に入っていく五条さんを見届けてから、鍵を取り出すために鞄の中に手を突っ込んだ。
ガサゴソと手を動かしても、いつものキーケースが触れない。
手探りで探すのをやめて鞄を覗き込む。
…………無い。どこにも無い。
どっかに落とした…?
それとも会社に忘れてきた…?
どちらにせよ絶望するしかなかった。
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みと(プロフ) - めっちゃまってます! (2022年3月11日 22時) (レス) @page7 id: 88b31f4df5 (このIDを非表示/違反報告)
くまこ(プロフ) - アミさん» お待たせした上にたった1ページの更新でごめんなさい!忙しいを言い訳にはしたくないので頑張っていきます!応援ありがとうございます✨ (2022年2月4日 2時) (レス) id: 20a0c5be0f (このIDを非表示/違反報告)
くまこ(プロフ) - eさん» 記念すべき1コメント目!ありがとうございます!ゆっくり更新で申し訳ないのですが頑張っていきます✨ (2022年2月4日 2時) (レス) id: 20a0c5be0f (このIDを非表示/違反報告)
アミ(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます!体調にお気を付けて、作者様のペースで頑張ってください!応援しています!! (2022年2月3日 22時) (レス) @page7 id: af4182423c (このIDを非表示/違反報告)
e(プロフ) - 楽しみにしています✨ (2022年2月2日 9時) (レス) id: b90da82d62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くまこ | 作成日時:2022年1月19日 17時