18 喧嘩�� ページ35
『おかえりー』
「ただいま」
ドアの前で立っている俺に疑問に思ったのか
『どーしたの、早くご飯食べよ！』
と、彼女は笑顔で言った。
いつもは愛おしいと思う彼女の笑顔をも、今はなんだか腹正しかった。
「颯一郎と、野球行ったらしいやん」
『行ったよ』
表情を強ばらせ、好戦的な口調だった。
「へー、俺のは観にこうへんのに」
『いつも来なくていいって言うでしょ。
でも何回かは黙って行ってたよ』
声が震えていた
「でもな、そういちと一緒に野球観に行くん、俺が嫌かなとか思わんかった？」
『なんで？由伸くんめんどくさいよ。
野球観に行っただけじゃん』
「野球観に行っただけの言い方になってないで」
『観に行っただけだよ！』
「そんなアホやったっけ？」
『アホじゃないよ。由伸くんはいつもそうやって、私のこと馬鹿にしてさ』
「してないよ。確認やん」
『してるよ！』
いつも穏やかでニコニコしている彼女が
こんなにも感情的になっているのは初めて見た
『由伸くん、私が他の野球選手褒めたりしたら嫌な気持ちになるでしょ？』
「ならんよ」
『なるよ！ベーブ・ルース褒めても機嫌悪くなったんだよ』
あの世界を代表する選手にまで嫉妬するのかと疑ったが
彼女の勢いは止まらなかった
『だからわたしだって、ずっと気を使ってたんだよ。
気づいてないと思うけど、由伸くんって、私のこと褒めてくれること滅多にないんだよ！』
彼女の目には涙が溜まっていた
『だから、別にいいでしょ。野球くらい観に行ったって』
鼻で嘲笑いながら、彼女に聞く
「おもろくなかったやろ？」
泣きながら必死に首を振る彼女
『すっごい、おもしろかったよ！』
彼女の大きな声が、静かな部屋の中で響く
『わたしたち、もうすぐ付き合って５年経つんだよ』
出会ってから、そんなに長い月日がたったのか
『地元の友達はみんな結婚してさ。わたしだけだよ、こんなの。
一緒に住み始めたのに、野球ばっかりで全然家にいないし。
適当に遊んでてもいいよ。でも、ここに帰ってくるから許せてたんだよ！
もう、なに考えてるのかわかんないよ』
返す言葉が見当たらず
ただ泣いている彼女を可哀想に見守ることしかできなかった。
彼女はその場の空気に耐えられなかったのか
何も持たずに家を出て行った。
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ぽみ(プロフ) - nana9943eeeさん» 私も劇場が大好きで書かせていただきました！そう言って頂けて嬉しいです^_^ありがとうございます！😭💞 (12月13日 19時) (
レス) @page36 id: 8d6d50631f (このIDを非表示/違反報告)
nana9943eee(プロフ) - 劇場がとても好きだったので、劇場をモチーフにされているお話、とってもすきです！！これからも応援しています！ (12月13日 1時) (レス) @page35 id: 98f9e41c76 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ぽみさん» 書いて下さりありがとうございました！とても楽しく読ませて頂きました😊！またリクエストさせてもらいますね！毎回素敵なお話書いて下さり感謝しております。 (11月25日 21時) (レス) @page42 id: 12bc3fbac6 (このIDを非表示/違反報告)
ぽみ(プロフ) - Mさん» いつもリクエストありがとうございます！上手く書けたか分からないけど、楽しんでくれたら嬉しいです^_^ (11月25日 16時) (レス) id: 8d6d50631f (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - こんばんは！またリクエスト失礼致します！年下の広報ちゃんが山崎福也選手に片思いしてるお話が見たいです！よろしくお願いします🥰 (11月24日 20時) (レス) id: 12bc3fbac6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽみ | 作成日時：2023年8月16日 13時
