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数十分後__
彼は軽食を乗せたトレーを持って、彼女が待つ部屋に向かった
「Aー。起きてるか?」
彼はドアをノックしてから彼女に声をかけた
「うん…。起きてるよ」
返事をした彼女はベッドからゆっくりと起き上がった
「私、体調悪い時って…中々寝つけないの」
主に生理痛の時は…
体のあらゆる部位の痛みが激しいので、何をしても落ち着かなかった
「だからってスマホばっか見てたら、余計に頭痛がひどくなるし……」
長時間ブルーライトを浴びていると、身体に影響を及ぼす可能性があった
「今日は大人しくじっとしてたよ」
彼が戻ってくるまでの間はベッドで安静にしていた
「それがいい。休める時に休んどけ」
そう言って彼女の頭を優しく撫でた
「メシ持ってきたからゆっくり食えよ」
リクエストされたメニューを用意した彼は、手際よくテーブルに並べた
「ありがとうね…。ケンちゃん」
彼に何もかもを準備してもらって、彼女は優しさが心に染みた様子だった
「しんどい時に優しくされると…涙が出そうになるね」
「Aが弱ってる時に無理はさせたくねェからな」
それからの彼女はゆっくりと時間をかけて食事をした
「ねぇ…ケンちゃん。お願いがあるんだけど……」
彼女は少し吃りながら彼を見つめた
「口移しで、薬飲ませてほしいの…」
少し恥じらいながら薬を口移しで投与してほしいと告げた
「……なんだ。急に大胆になったな」
「だって…ケンちゃんって、意外と奥手なんだもん。
言い方変えればスパダリだけど……」
彼女的には少しもの寂しい感じがしていた
「それに、普段から…中々私に
手を…出してくれないじゃないの……」
彼女の口からは本音と不満が溢れ出た
「……Aの気持ちも考えずに、悪かった。
Aのことを…不安にさせるつもりはなかった」
紳士な彼は彼女と付き合う上で慎重に段階を踏んでいた
「口移しだったか?してやるからこっち向いて」
彼女の顎をそっとすくった彼は、そのまま口移しで薬を投与した
「ふふっ。ありがとう」
彼女は満足そうに微笑んだ
「ったく…人の気も知らねェで……」
ため息をついた彼は少し頭を抱えた
「1週間後…覚えてろよ」
月経の期間が終わった後は
彼女を存分に可愛がる予定でいた
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作者名:おりたん | 作成日時:2022年10月1日 2時