ダイエット【半間修二】 ページ20
「………」
晩ご飯を食べ終えて体重計に乗った彼女は…
デジタルで表示された測定器の結果に、絶句していた
「ヤバい…。ちょっと、甘いモノ控えなきゃ…」
暗い顔で言った彼女は今にも泣きそうな表情をしていた
「んー。ストレスが原因かな…」
狭い脳みそをフル回転させて、思い当たる節と記憶を遡っていた
彼女は尋常ではないくらい重度の甘党であった
「なんだ。太ったってか?」
同じ空間にいる彼は彼女の小言を聞いていた
「……うん」
この話題に触れてほしくなかった彼女は、控えめに返事をした
「気にする必要ねェだろ。お前全然痩せてンじゃねーか」
対して彼は彼女にダイエットの必要は無いと告げた
「そう言ってもらえるのは嬉しいんだけど…」
女性の視点からすると素直に嬉しい言葉であった
「女は…スタイルとか気にするから。
ちょっと、痩せなきゃと思って」
美しい体型を維持したいというのは…
美意識の高い女性の、独自の感性的認識における美学であった
「Aはむしろ…もっと食った方がいい」
彼は普段の彼女の食の細さを気にしていた
「まぁ…1つ言えるのは
Aは偏食が激しいんだよな」
「……それは…自覚ある」
本人も自覚済みであった
「基本的に、キライなものは少ない方。
案外割と…なんでも食べれるよ」
食べ物単品の好き嫌いはあまりない様子だった
「Aの場合は…1回ハマったら、飽きるまで食うことだな」
これは飽き性の特徴であった
「ダイエットするにあたって、1つ問題があるの…」
彼女は深刻な顔をして問題点について話し始めた
「どうした?そんな暗い顔して」
少し心配した彼は彼女の顔色を伺った
「そのっ…胸に関しては今のサイズを
保ちたいなって、思ってる…」
いざ自分の口で言うとなると中々に羞恥心に駆られた
「胸まで痩せるのはイヤだから…」
胸囲のサイズは女性にとって深刻な問題だった
顔と髪と同じで、胸も女の命であった
「なんならデカくしてやろうか?オレが」
我ながら名案と思った彼は彼女に提案した
「それって、好きな人に揉まれたら…成長するって話?」
ネットか何かの記事で見たと言った彼女は、内心では半信半疑であった
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作者名:おりたん | 作成日時:2022年10月1日 2時