マカロン【九井一】 ページ12
午後15時__
「ココたん」
キッチンから顔を覗かせた彼女は、リビングにいる彼の名前を呼んだ
彼女はとっさに思い付いたあだ名で彼を呼んでみた
「どうした?Aたん」
それに応えるように彼はすぐに返事をした
「ふふっ…。ノってくれてありがとう」
ノリがいい彼に礼を言って彼女は微笑んだ
「そろそろティータイムにしようよ」
今の時刻はちょうど、ティータイムの時間帯に差し掛かっていた
「ココが株やってる間に…マカロン焼いたの」
休日の自分の時間を使って彼は趣味で株価を売買していた
その間に彼女は趣味の1つである製菓作りに励んでいた
「おー。すげぇな」
パソコンの画面から視線は離さず彼は声だけ反応した
「一緒に食べよ?」
彼女は彼をティータイムに誘った
「おう。これ片付けたらそっち行くわ」
少し離れた場所にいる彼は、デスクの上を片付けて彼女がいる方へ向かった
彼女はテーブルに茶器などを用意してセッティングをしていた
「私は紅茶を飲むけど…」
戸棚を漁りながら彼女は彼に問いかけた
「ココはいつも通り、コーヒーでいい?」
「あぁ。ブラックで頼む」
椅子を引きながら彼は返事をした
「了解。すぐできるから待ってて」
彼から注文を受けた彼女はテキパキと準備をした
「私ね…コーヒーって、あんまり得意じゃないの」
彼女はティーカップを持って上品に紅茶を飲んでいた
「苦いから…そのまま飲むのは、抵抗がある」
ブラックコーヒーを飲んでいる彼を見つめながら、彼女は自身の話をした
「知ってる。Aは昔から苦手だよな」
付き合いが長い2人は互いの好みを共有し合っていた
「うん。でも…カフェオレならいけるよ」
濃く入れたコーヒーに、温かいミルクを注いだカフェオレは飲める様子だった
「ミルクがたっぷり入った…カフェオレは好き」
彼女はミルクをたくさん入れて飲むのを好んでいた
「なんか…かわいいな。子どもっぽくて」
そんな彼女の様子を彼は微笑ましい目で見ていた
「もー。子ども扱いしないでよ」
少し頬を膨らませて言う彼女に対して
彼は内心では…
"そういうところなんだよな"
と、心の中でツッコミを入れた
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作者名:おりたん | 作成日時:2022年10月1日 2時