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30分後__
車内で他愛もない会話をしていると、あっという間に目的地に到着した
「わぁー…!すごいキレイ!」
2人は都内で有名な紅葉スポットに来ていた
「ちょうど今が見頃だな」
場所は文京区本駒込にある…
六義園
「とってもステキ…」
眼前に広がる景色に彼女は目を奪われていた
「四季が織り成す景色って、幻想的で素晴らしいよね」
ふと、風で揺らいで落ちた紅葉は…
水面下に広がり波紋を作っていた
「粋な光景だな…」
彼女の隣で彼も紅葉を魅入っていた
波紋が作る音のない世界
それはどこか寂し気で絢爛に感じられた
2人は暫くの間、観光地を回って紅葉を鑑賞した
「夜メシどうする?なんか食べたいモンとかある?」
今は束の間のひとときで、近くの茶屋に訪れていた
2人は園内にある茶屋で庭を眺めながら、抹茶と季節の上生菓子を食していた
「うーん…。和食がいいかな…」
少し悩みながら彼女は日本食を提案した
「秋の味覚を楽しみたいから…定食とか良くない?」
彼女はせっかくのデートと伏せて、懐石料理を嗜みたいと思った様子だった
「おー。たまにはいいな。
オレも魚食べたいし…和食にするか」
普段和食を口にする機会は滅多になかった
「主にお造りと天ぷらが食べたい。
後は、焼き魚も捨てがたいよね…」
造りは刺身のことを指していた
「秋刀魚は今が旬だしな」
どの店でも今の時期の焼き物は、旬の魚である…
秋刀魚を使われていることが多かった
「あっ。そうだ。帰りにドライブスルー寄ってほしい」
彼女は思い出したかのように告げた
「三角チョコパイが食べたいの」
ファーストフード店のサイドメニューで、今がシーズンの商品であった
「あー……もうそんな時期か」
季節を感じるのは、期間限定と言う言葉でも捉えられた様子だった
「ねぇ。次のデートは…水族館に行きたいなぁ」
彼女は早くも次回の行き先の候補を上げた
「オレはどこでもいいよ。
Aとなら、どこでも楽しめるし」
彼は常に彼女の行きたい所を優先していた
「ふふっ。ありがとうね」
会話に花を咲かせながら…
彼女は次のデートも待ちきれない様子だった
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作者名:おりたん | 作成日時:2022年10月1日 2時