艶ノ譚肆【梵天】 (ページ4)

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乳脂肪ページ4

『……元気、出ましたか？』

現在のAは、彼の頼みではだかエプロンをしていた

正確に言えば…

ピンクのベビードールを着用していた

その上に可愛らしいフリルがついた白のエプロンを羽織っていた

佐野万次郎「あぁ。もう色々と元気になった」

意味深な発言を含めて、彼は真顔で言ってAの腰辺りを撫でた

Aのランジェリー姿は彼にとってご褒美であった

『佐野さん。いつもお疲れ様です…』

疲労で今にも死にそうな彼を、Aは優しく抱きしめた

『そうだ。ケーキがあるので…

良かったら食べませんか？』

思い出したかのように言ったAは彼をお茶に誘った

佐野万次郎「食べる。ついでに紅茶も飲む」

即答で返事をした彼は久々の甘味に食いついて欲していた

『すぐに用意してきますね…！』

Aはこの格好のままその場を後にした

数分後＿＿

トレーを持ったAは、彼が座るテーブルの前に次々とセッティングをした

本日の紅茶は＿＿

ニルギリストレートティー

ニルギリの産地は南インド

現地語で表すと、青い山を意味する

ニルギリは紅茶のブルーマウンテンと表現される事もあった

お茶請けはシンプルなショートケーキ

『ケーキと紅茶って…相性がいいですよね』

紅茶は種類が多くコクや渋みの強さ、香りなども色々とあった

佐野万次郎「合わせ方にもよるが…」

彼は飲んでいたティーカップを置いた

佐野万次郎「それぞれの個性が引き立つな」

同じケーキを食べていても…

合わせる紅茶によって、味わいが変わるのも楽しみの1つであった

「A」

彼はふと、サクヤの口元を見つめた

佐野万次郎「口にクリームついてる」

そして控えめに指摘した

『えっ、ホントですか…？！』

なぜかAは一度疑った

佐野万次郎「うん。ホント」

慌てるAとは反対に彼は冷静であった

『そのっ、どの辺に…ついてますか？』

素で天然を発揮したAは彼に問いかけた

教えてもらったはいいが、Aには上手く伝わっていなかった

佐野万次郎「取ってやるからじっとしてろ」

彼は身を乗り出してAに近づいた

佐野万次郎「顔、真っ赤。そんな緊張すんなよ」

そう言ってサクヤの口元に付いていたクリームを指で取った