艶ノ譚肆【梵天】 (ページ30)

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価値観ページ30

「Les princesses ne sont pas les

plus charmantes des créatures.」

訳：ヒメなんざ愛嬌があるモンじゃねェよ

そう言って頭領は次の言葉を放った

「Vous êtes seulement ________.」

訳：所詮＿＿＿だろ

頭領の口から出たコンプラにも似たような言葉は、耳を塞ぎたくなる内容であった

「Alors... c'est ça le truc. Changeons de sujet.」

訳：じゃあ…アレだ。話を変えようか

殺し屋の男は若干引きながら話題を自然に逸らした

「Vous connaissez la rumeur selon

laquelle ce jeune homme a gardé une

fille dans son entourage ces derniers temps ?」

訳：その若造が最近女を囲ってるって噂は知ってるか？

梵天に所属している一人の女性のことを指していた

「Les patrons sont étonnamment naïfs.」

訳：ボスは意外と世間知らずだからな

「Hein ? Une enceinte ?」

訳：はぁー？囲いー？

ここで大げさすぎるリアクションをした

「Je n'en ai jamais entendu parler, et vous ? Je ne sais pas.」

訳：聞いたことねェよ？俺知らんし

頭領にとっては初耳の様子だった

「Putain d'enfants.

Ne te fous pas de moi, mec.」

訳：くっそガキが。ナメてんじゃねェよ

気性が荒い頭領は飲みかけのワイングラスを床に叩きつけた

「Ce sont des gens comme ça qui

donnent une mauvaise image de notre monde.」

訳：そーゆー奴がいるから

俺らのセカイがナメられんだろうが

こういった考えを持つ者は少なくはなかった

価値観が人によって異なるのは当たり前の事であった

「En premier lieu... quel genre d'

être s'appelle une princesse」

訳：そもそもよォ…姫って言われる存在はなんだ？

女性である姫を中心として、それに群がる男性

言い方を変えれば…

騎士(ナイト)達が織り成す”囲い”という仕組みであった

「Non, c'est tout simplement bizarre.」

訳：いや普通に気色悪いわ

頭領は常人にはとても理解できないと言っていた

「Une gardienne dans un harem ?」

訳：ハーレムの女番？

頭領の問いに殺し屋の男は頷いて答えた

「C'est la salope qui vous a encerclé.」

訳：その囲われてる女勘違いビッチじゃねェか