情致 ページ17
三途春千夜「Aって
コレに関してはプロなのに…」
浴室で行為を終えた後の2人は、すぐに着替えて脱衣所から出た
三途春千夜「たまにウブなトコがあるよな」
現在はAの部屋のベッドの上で抱き合っていた
三途春千夜「まぁ…ふつうに可愛いからいいけどよ」
彼はAの肩に自分の顎を乗せて言った
『今まで、丁寧に抱かれるコトが少なかったので…』
Aは彼の背中を優しくさすりながら、自分の過去の話をした
『どうしても、恥じらってしまいますね…』
高見世に訪れて来る客層は様々であった
それも全員が必ずしも…
"良心的な人"と分類される人種の人間ばかりではなかった
顔が良ければ
誰でもいい
突っ込めれば
誰でもいい
そう言って
遊女を…
道具にしか
見ていない
客が多かった
まぁ…
実際
私が
商品
だったのは
事実だけど
三途春千夜「……今までどんな客を相手にしてきたんだよ」
彼はAには聞こえない声量で呟いた
三途春千夜「まぁ、オレも他人のコト言えねェけど」
彼は一応Aに許可を取ってから行為に運んでいる
合意なのは確かだが…
Aの話を聞いていると罪悪感が生まれた
『三途さん…?大丈夫、ですか?』
心配したAは彼の顔を覗き込んだ
三途春千夜「あぁ。大丈夫だ。気にすんな」
彼はなんでもないと言ってAの頭を優しく撫でた
三途春千夜「オレとしては」
Aの瞳を捉えて彼は視線を交えた
三途春千夜「色んなAの表情が見れて嬉しいけどな」
新しい一面を見れて新鮮な気持ちになると告げた
三途春千夜「それと同時に、もっと…
Aのことを知りたいって思う」
これは彼の本音であり本心であった
多分
オレ…
好きなんだよ
Aのことが
不純な動機
だけじゃねェ
一緒に
過ごして行くうちに
Aの人柄
優しさ
何より
"心"
に…
惹かれた
今は言えねェけど
いつかちゃんと
伝えるから
その時まで
待っててくれるか?
491人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おりたん | 作成日時:2022年9月19日 16時