艶ノ譚参【梵天】 (ページ10)

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制服ページ10

三途春千夜「あー…もう働きたくねェ」

九井一「人生に疲れた」

灰谷竜胆「全部終わりにしてェ」

三人は虚無顔で言った

灰谷蘭「お前ら病んでンなー」

同じ空間にいる彼は軽く受け流していた

佐野万次郎「全員死ねばいい」

取引先と通話を終えた首領は真顔で呟いていた

灰谷蘭「……ボスが1番荒れてンな」

地獄耳の彼は首領の小言を聞き取れていた

『私は…できることであれば

学生に、戻りたいです…』

会話の流れでAは、もしも可能であれば学生時代に戻りたい様子だった

灰谷蘭「あっ、そっか。

Aは10歳から…学校に行ってないのか」

彼の発言にAは小さく頷いた

『やはり…学校は憧れますね』

学生時代を経験した事がないAは、若人の青春に憧れを抱いていた

『……あのっ、蘭さん』

Aは少し吃って隣に座る彼を見た

灰谷蘭「ん。どうしたの？」

『そのっ……制服を、着てみたいです…』

控えめに告げたAは、ほんのり頬が赤くなっていた

灰谷蘭「オッケー。すぐに用意するよ」

彼はAの思考を察してすぐ行動に移した

30分後＿＿

『この制服、とっても可愛いです…！』

灰谷蘭「Aが楽しそうで何よりだよ」

Aは彼の部下が用意した制服を着用して、ご満悦の様子だった

佐野万次郎「めっちゃ似合ってる」

三途春千夜「ベリーキュート」

二人は真顔で言ってAを上から下まで見ていた

九井一「……驚くほど自然だな」

灰谷竜胆「Aは美人だけど

童顔だから、全然現役のJKでもイける」

灰谷蘭「普通に18に見えるよ」

三人は違和感がないと言ってAを褒めていた

灰谷蘭「ちなみに…葬儀屋(あいつ)が

オレらの分もあるって言ってた」

彼の部下は、何故か変な気遣いをしていた様子だった

三途春千夜「いや需要がねェよ」

灰谷竜胆「誰得だよ」

二人は速攻でツッコミを入れた

『あのっ…私は…見て、みたいですね』

対してAは、興味があると言って少し期待していた

灰谷竜胆「よしっ。着るか」

三途春千夜「Aのために一肌脱いでやる」

彼らは切り替えがとても早かった