眉目秀麗 ページ28
「今は手持ちがないのよ!!とにかく離してよ!!」
この状況から逃げ出したくて、女性は適当に嘘をついた
「…っ……もう、やだ。痛いってば!!」
男に腕を強く掴まれているので、女性は涙目で訴えかけた
「泣けば許されると思ってんじゃねーよ!!
嘘泣きのくせに!このクソアマ!!」
醜悪な本性を晒しながら、男は女性を罵倒し続けた
「お前なんか…こうしてやる!!」
男は付近のテーブルから、飲み物が入ったグラスを手に取った
「…っ…なによ!やめてよ!!」
頭に血が上った男は女性に水をかけようとしていた
「は?やめねェよ。全部お前が悪いんだからな!!!」
全ての非は女性にあると告げて、男は勢いよく女性に向けてグラスを傾けた
だが、次の瞬間…
怯える女性の前に第三者の影が現れた
この修羅場を打ち砕いた者が、一人現れたのだ
『……冷たっ』
Aは女性を
『おふたりとも。お静かに』
頭上から思い切り水を被ったので、髪からは
「あんたは、新人の…」
男は目を見開いてグラスを床に落とした
『他のお客様に迷惑がかかっています』
客も従業員も一連の流れを見てドン引きしていた
『お嬢さんは少し…僕とお話しましょうか』
Aは女性に話の場を設ける機会を与えた
「あのっ…!アタシのせいで、お水……」
自分を庇ったAに対して、罪悪感が生まれた様子だった
『これくらい…なんともありません』
Aは片手で髪をかきあげて、表情をよく見えるようにした
『とりあえず、お嬢さんに怪我がなくて良かった』
女性を安心させるようにAは微笑んで告げた
別室では__
灰谷蘭とその部下は、先ほどの修羅場を監視カメラでしっかりと見ていた
灰谷蘭「いやー。A水も滴るいい男じゃん」
彼はAが取った言動に驚かされていた
灰谷蘭「これでAが風邪引いたら
あの野郎…ぶち殺すかんな」
声量をワントーン下げて男に対して殺意を向けた
「だからダメですって。今回暗殺は無しですよ」
ツッコミを入れながらすかさず上司を
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作者名:おりたん | 作成日時:2022年8月11日 22時