修羅場 ページ27
23時__
夜も更けて、Aたちが店に入店して任務に慣れてきた頃…
店内の1つの客席では、何やら客とキャストの間で修羅場が勃発していた
「もー、頭にきた」
1人の男は効果音がつきそうなほど、テーブルを勢いよく叩いた
「お前がツケばっか貯めるから
俺はナンバー落ちしちまった!!」
ナンバー制度__
売上や指名の多いホストはナンバーと呼ばれる
入れ替わりが激しい世界のため…
ナンバー落ちが発生する事はよくあることであった
この制度には、売上金額や指名数が重視されていた
「店にも俺にも迷惑かけてんじゃねェよ!!!」
ホストの収入の柱は客からの売上金額だけとは限らない
「ガキの分際で夜遊びなんざ、10年早えーよ!!」
売り掛けとは__
後日精算を前提とした売上…
客にとっての借金があった場合、店側は
その客に売上を立てたホストの給与から、売り掛け分を差し引くことができる仕組みになっている
「なによ!今まであんたを支えてきたのは
どこの誰だと思ってんのよ!!!」
痺れを切らした女性も席から立ち上がって、口論に発展した
「このアタシでしょ?!」
担当のホストがナンバーがつく以前から、支えていた様子だった
「ここまで有名にしてあげたアタシに感謝しなさいよ!」
女性は自称、太客とは言い張るが…
周りから見ればただの痛客であった
「あ?それが迷惑だってコトにまだ気づかねェのか?!」
このホストには今会話している女性以外にも、何人かの常連客はいた
「お前の手当なんかいらねェんだよ」
自分にはエースがついているので、女性の施しはもう受け付けない気でいた
エースは__
指名客の中で、毎月一番多く金を使ってくれる客のこと
「もういい。あんたなんか知らない!」
女性は荷物を持って席から離れようとした
「担当変えてやる」
男を睨んで女性はそう告げた
「は?おい。待てよ!まだ話は終わってねェよ」
男は咄嗟に女性の腕を掴んだ
「お前が俺と店に全額支払うまで帰さねェからな!!」
怒号を撒き散らしては女性に強く言った
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作者名:おりたん | 作成日時:2022年8月11日 22時