闇夜に咲く一輪の花９【梵天】 (ページ38)

今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:36,085 hit

Baby doll ページ38

「A」

現在のAはNo.2の部屋に訪れていた

三途春千夜「前にオレが贈ったベビードール着たか？」

そしていきなり爆弾発言を投下した

『ちょっ…！いきなり何？！』

突然の事にAは飲んでいたお茶を盛大に吹きこぼした

『勢い余って、お茶…吹いちゃったじゃん』

そう言いながらもすぐにハンカチで丁寧に口元を拭いた

三途春千夜「ごめんって。で、どうなんだよ」

彼は食い気味にAに聞いていた

『……アレはよくわかんないから、捨てちゃったよ』

竜胆に

襲われた

なんて…

口が裂けても

言えない

Aは本音は伏せて建前を並べた

『っていうか、アレ…

春千夜が用意したモノだったんだね』

三途春千夜「おん。着てるトコ見たかったからA宛に贈った」

彼は素直に本心を述べた

『蘭か、意外とココかと思った』

三途春千夜「あー…アイツらもやりそうだな」

何かを思い立った彼は付近にある紙袋に手を伸ばした

三途春千夜「アレを捨てたのもったいねぇな」

紙袋の中身を漁りながら言った

『何してるの？』

その様子をAは隣で見ていた

三途春千夜「せっかくだからさ、今これ着てみて」

そして中身を取り出してAに手渡した

『えっ…ベビードール、ですか……』

Aはなぜか敬語になって彼に問いかけた

彼は自分の欲のためにAに向けて予(あらかじ)め用意をしていた

三途春千夜「……Aに触れたい」

彼はAを抱きしめながら言った

愛を確かめたい事を口実にAに夜のお誘いを持ちかけた

Aは少し考えた後に真っ赤な顔で頷(うなず)き彼の頼みを聞いた