闇夜に咲く一輪の花５【梵天】

三大要素 ページ48

「それとな…あんな安い罠に引っかかるわけないだろ」





男に対して呆れたように告げていた





「紅茶ってのはまず飲む前に手順があるんだよ」





紅茶の美味しさを決める三大要素





1、目で楽しむ





水色(すいしょく)…抽出された紅茶の色





水色は澄んでいて透明感が高いことが大切





品種によって水色の鮮明度も異なってくる





2、香りを堪能する





各茶葉ごとに種類も違えば、割合や組み合わせも異なる





一つとして同じものが無い千差万別の香りを生み出す





3、味わう





これが一番重要で一番の楽しみ





口に含む時が最高に幸せを感じるひと時であった





「色が若干濁ってたし…変な異臭がした」





勘の鋭い美涼も香りの変化には気が付いていた





「飲まなくても分かるわ」





だから美涼に対して口にしないように仕向けていた





「美涼様を甘く見んなよ」





冷めた目で低音で言った

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