闇夜に咲く一輪の花５【梵天】 (ページ34)

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露華ページ34

『…っ……ちょ…くすぐったい、よ』

自分を吸っている九井に対して言った

九井一「めっちゃいい香りする」

九井は美涼を吸いながら告げた

『これ？蘭からもらった香水』

美涼は九井に正直に伝えていた

『……ココ？』

急に無言になった九井を心配した美涼は顔を覗き込んだ

あー……

灰谷兄か

あいつなら

確かに

贈ってそう

九井一「他の男の名前…呼ぶのは無しな」

美涼の瞳を捉えて言った

九井一「普通に嫉妬する」

蘭の名前を出された事が気に触った様子だった

「今お前を独占してんのは俺だから＿」

"オレだけ見てよ"

熱の篭った視線を美涼にぶつけていた

『……ごめんね』

返答に困った美涼はとりあえず謝罪を入れた

九井一「これで許してやるよ」

そう言って美涼の唇を奪った

『んッ…』

片手で美涼の後頭部を抑えて何度も角度を変えてキスをした

『……んんッ……ぁっ……！』

舌を絡めるとキスは深く濃厚になっていった

『…っ……はぁ……んッ…あっ……』

美涼の表情は甘露(あまつゆ)に濡れた露花(ろか)のようだった

『……ふっ……んッ……ココ、落ち…ついて！』

訴えかけるようにして九井に告げた

互いの口を離すと美涼の唇からは艶のある唾液が滴っていた

九井一「その顔…そそるな」

それは背徳の美醜(びしゅう)であった

美しさの中に淫らで醜い液体が美涼を蝕(むしば)んでいた