闇夜に咲く一輪の花３【梵天】

Rapporti diretti ページ24

三途春千夜「美涼様〜」





同室に居る本人に向かって三途は突然、棒読みで呼んだ





『何？』





美涼は適当に聞き流していた





三途春千夜「お前の直属の部下の真似」





そして真顔で美涼に告げた





灰谷竜胆「前から思ってたけど…」






"松野千冬に似てね？"






美涼の隣に座っている竜胆は自分よりも一回り下の後輩を指して言った





三途春千夜「髪も金パだしな」





元々学生時代は同じ暴走族に所属していた三途は、よく知っている様子だった





灰谷竜胆「顔面も中々…可愛い系寄りの美形」





美涼の直属の部下の容姿を素直に褒めていた





意外にも竜胆も松野千冬については詳しかった





灰谷蘭「あー……場地とかいう奴の忠犬だろ？」





思い出したかのように蘭は告げた





三途春千夜「"だった"な」





蘭の発言を訂正して過去形に直した





灰谷竜胆「あれは羽宮がわりぃんじゃねぇよ」





ここで竜胆は羽宮一虎の名前を出した





灰谷竜胆「あいつの思惑どおりだったんだよ」





昔の出来事を話題に上げた





灰谷蘭「そいつも死んだじゃん」





そいつというのは、今から12年前の東京卍會に所属していた稀咲鉄太の事を示していた





『言い方』





ここで美涼は蘭の発言を指摘した





『せめて亡くなったって言ってよ』





美涼は亡き人の事を直球で言われるのが心苦しかった





灰谷蘭「はーい」






"美涼様"






一番初めに言い出した三途に続いて、蘭も二人称を様付けに呼んで返事をした





アレとかそれって…




年寄りの会話じゃん





美涼も灰谷兄弟の事を中々に年老い扱いしていた様子であった

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