闇夜に咲く一輪の花３【梵天】

命の恩人 ページ36

「美涼は…あの有名なI'risだったの？」





竜胆と美涼は中庭で落ち合っていた





『えっ？』





突然子息の口から美涼の異名が飛び出た





なぜ子息が美涼の正体を知っているのか、本人も分かっていなかった





「父上たちが話してるの聞いちゃった」





どうやら伯爵の会話を偶々聞いてしまった様子だった





灰谷竜胆「おい…小僧」





任務を終えた竜胆はつい気の緩みから本性を表してしまった





灰谷竜胆「美涼はその呼び名を好んじゃいねぇ」






"気安く呼ぶなよ"






13歳の少年相手に軽く睨んだ様子だった





「それが竜胆の素か…」





『あっ…坊っちゃん。すみません』





竜胆に代わって美涼は子息に謝罪をした





「いや面白いからいいよ」





意外にも子息は竜胆の性格を気にしないタイプであった





「僕そういうの気にしないから大丈夫」





子息は毅然としていた





「美涼と竜胆は＿」






"僕の命の恩人"






子息は美涼と竜胆の顔を交互に見た





「約束するよ」





2人を真っ直ぐに見て告げていた





「誰にも言わない」





子息は素性を隠し通すと約束した





『坊っちゃん』






"お心遣い感謝致します"






そう言って美涼は子息に向けて笑顔を向けた





こうして…この度の任務を無事に遂行する事ができた

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