【オリオンの刻印】②サッカー界のクイーンと呼ばれるその子は、ただただ友達想いな女の子でした (ページ38)

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　一星は相手の能力を理解し、
　前へと進んでいった

　あのメテオでさえ、抜かしてしまう

　やがて一星はゴールの前へ

「ナミさん！」

　一星はナミにパスを出す
　ナミはそれを受け止め、必殺技を出す

『【ーーーー】』

　そのシュートは見事、サウジアラビアのゴールネットを揺らした
「やったあ！！」と明日人が喜ぶ
　思わず振り返って、一星に飛びついてくる彼女
　やったよ！やったあ！！

「っっっ！な、ナミさ…っ」

　一星はドギマギしてしまう
　…ナミさんの香りが…！わわっ、どうしよう！こんなに近くに…！
　彼女は気にせず、
　ほっぺまで近寄らせてスリスリしてくる
　ナミの変わった愛情表現である「はわわわわわ」

「ナミちゃん、光くんをいじめないの」

　野坂がすかさずナミを引き放つ

「甘えるなら、僕だけでいいから」

　おいでおいで、と野坂は手を広げた

「馬鹿言うな！こっち来いナミ！」

　灰崎はナミの手を引き寄せる
　ナミはわわっと体が傾き、
　方向は氷浦のほうへ「ナミ…」

『きっ、ちゃん！』

　ナミはいつものように氷浦に抱きつくことにした

「あ、こらっ、もう、まったく、あはは」

　氷浦はくすぐったそうにする
　取り残された灰崎と野坂は
　そんな2人を見つめたまま動かない

「伊那国島で育った方がいいかな…」

「やめとけもう手遅れだ。明日人たちには勝てねぇんだよ…」

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