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話は弟くんの手術代の話に
吉良財閥が貸してくれるらしい
返す方法はひとつ
この大会を優勝して、賞金をゲットすること
「待ってくれないかヒロトくん。その必要はあるのかな」
野坂は一星を見つめる
「そもそも一星くんは誰を助けようとしているのかな」
一星は目を地開いた
弟だろ、とみんな思うも
それは違った
そもそも病院に入院していたのも本人なのだ
彼はーー解離性同一性障害
簡単にいうと二重人格だった
事故のショックの大きさで、そうなってしまった
一星を取り戻す方法はーー
二つになってしまった人格を統合し、ひとつにすること
取り戻すために鍵は…
『サッカー…』
ナミはそっと目を覚ます
「ナミ！」
明日人はすぐにナミに抱きついた「大丈夫…？」
ナミはコクン、と頷いた
「ナミ、みんなと一緒に一星を取り戻すよ」
『…らじゃ』
ナミは敬礼した「かわい…なにその敬礼」
そんなナミの肩を掴む野坂
「ナミちゃん、無理しないでね。今回は僕がそばにいるからないと思ったけど、どうやら予想外だったみたい」
ニコニコと微笑む野坂
ナミの心配をしているのだが、
どうも野坂の笑顔が危なっかしい
…僕がそばにいたのにナミちゃんってば、危ないことして…ふふっ、縄で縛っておいたほうがよかったかな？そうすれば君の安全を手に入れられる？
「そうだぞ。普通はベンチのところだ」
風丸と頷く
ナミはうるうると上目遣いをする「いつその技を覚えた…」
「ナミ…っ、うっう、…おねえちゃん、たすけて」
一星はナミを見つめた
ナミはそっと一星を抱きしめる
大丈夫…まもってあげる…
誰もあなたを傷つけさせない…
「ふしぎ…おねえちゃんは怖く見えない」
一星はそう呟いた
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作者名：真灯 | 作成日時：2024年2月29日 19時
