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「…っ、ナミ…！」
一星はその存在に驚いていた
…ああ…彼女に抱きしめられている
バスの中と同じように俺はナミに守られている
この温もりに俺は守られていたんだ
ようやく気づいた
ナミは俺にとって大切な人なんだ…家族以上に…
いやだ…
…もう離れたくない…
「ナミーーーーーーーーー！！！！！！」
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、
気を失った彼女を
一星は運んだ
安静にさせるため、ベンチで休ませる
一星はその隣に座った
「俺は…光とサッカーをしたかっただけなのに…」
一星の汗の量がひどい
「俺は人を傷つけてまで…」
一星はナミの手を握った
…あなたを傷つけるつもりなんてさらさらなかったのに…俺はなんてひどいことを…
「君は誰も傷つけてはいないよ」
野坂が声をかける
「少なくとも、今日の試合ではね」
野坂はそっと一星を見つめた
「そういうことだ」
風丸は頷く
その隣には吹雪もいる「2人の怪我は君のペースを崩すための芝居さ」
「これ、ナミちゃんに知られたら怒るかな」
吹雪は困った顔をする「あんなに心配してもらっちゃったし…」
「カンカンだな」と風丸も困った笑みをする
…まあ、彼女に怒られてみたいけど…
ナミという言葉に一星はハッとした
「大丈夫。ナミは君に傷つけられたなんて思ってないさ。君を守るために怪我を負うことはあったりしてもね」
野坂はポンポン、と
ナミの頭を撫でた
…勇敢なお姫様だよ君は
「それに、僕のことを守ってくれたじゃないか」
野坂はフッと微笑む
「できなかった…サッカーで命を奪うなんて…」
一星はかすれた声でつぶやく
「安心して。僕の頭が危険だという話は君を惑わすための嘘だから」
「え」
それにはみんな、「「えええ！？」」だった
「僕の体になんの問題もないよ」と涼しげな顔で言う野坂
後ろにいる岩戸がめちゃくちゃびっくりしていた
「これ、ナミが聞いたら激怒事でゴス」
「ぇ…」
野坂は固まった
それも悪くないね、とあとに新たなドキドキを見つける
…彼女が怒った姿、想像するだけでわくわくしない？
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作者名：真灯 | 作成日時：2024年2月29日 19時
