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、
ーーバスの中、
ナミはようやく一星を見つけ、
彼の隣に座る
一星はナミにドキッとして、
ボタンを服の中に隠した
「今日はあっち行っててください」
ナミをしっしっ、と追い払う一星
ナミは黙ったものの
一星にくっつく
「ちょっ、ナミ！」
こういうときにやめてくれ！と悲鳴をあげたくなる一星
一星の手にあるスイッチは
このバスの部位を破壊してしまうもの
一星は焦っていた
『…』
ナミはそっと一星の手を包み込むように握った
ビクッと反応する一星
ナミは相変わらずの調子でニコニコしている
「このボタンを押せば、アンタも…」
一星は消えそうな声で呟く
「アンタだけは…」と一星の視線が下がっていく
それだけは嫌だ…アンタだけは無事でいてほしい…
ナミはこつん、とオデコを一星の頭に置いた
「っ…！？」
顔を真っ赤にした一星を差し置いて、
ナミは一星の手からボタンを引っ張りだした
「やっ…」
一星はナミからボタンを取り返そうとする
けどナミは一星の頭にキスをして、
彼を止めた「ちょっ…なにするんですか！！」
『…』
ナミはボタンを見つめる
それからそっとそのボタンを押した
すると怖がる一星
ナミはぎゅっ、と彼を抱きしめる
、
ーー何も起きない
、
「うわっ」
起きたとしても、灰崎のイヤホンのボリュームが大きくなるだけだった
一星が驚いて、そのボタンを何度も押してもそう
「アンタ…何かしたんですか」
一星はナミを疑い始める
ナミはへらりと笑うだけ
「っ…くそっ」
一星は真っ赤な顔を晒した
さっきっからずっと胸がうるさい
これはどっちなんだ…
、
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作者名：真灯 | 作成日時：2024年2月29日 19時
