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それからしばらく経ったあと
ーーサウジアラビア戦前
ナミは野坂にサッカーの練習に誘われた
室内のグランドにはたくさんの選手が集まっていた
「それでどんな特訓をするんだ！野坂」
ワクワクした気持ちで待ち望んでいた明日人
野坂は明日のサウジアラビア戦でも役に立つ、という
それはオリオンの使徒から身を守るための練習
ラフプレイをかわす特訓だった
「なんだよこれは…」と剛陣は焦る
「監督が特別に用意してくれた装置です」
野坂の前には長い板材のような装置が
「今からやってみせますね」
野坂はすんなりと言い放つ
西蔭がボタンを押すと
板の間から足のようなものが飛び出てきた
野坂はひょいひょい、とそれをかわしてみせた「では、始めましょうか」
「俺から行かせてもらうぜ」
剛陣が袖をまくる
「あっ、言い忘れてたんですけど、一定の時間をすぎるとスピードが上がる設定になってます」
野坂の笑顔が怖い
「え？」と剛陣
ひとつの足に突っ掛かり、転んでしまう
するといろんな足に蹴られてしまうようだ
「どうぞ、次ナミちゃん」
ニコッ、と笑顔をナミに向けた野坂
ナミはビクビクするうさぎのようになっている
「怖がらないで。ナミちゃんなら大丈夫」
とんっ、と野坂はナミの肩を叩き、励ました
「がんばれナミー！」と明日人が応援してくれる
ナミはよーし！と立ち向かった
西蔭と視線を合わせる「わかりました」
「おおっ！」
明日人が目を輝かせる
ナミは最初、ドギマギしつつも
なんだかゲームのようで中盤から楽しくなっていた
見事にすべての足をかわす
そして最後ーー
奥で待っていた野坂が「おいで」と手を広げるものだから、飛びついた『ふふっ』
「よくできました！ナミちゃん」
野坂は満面な笑顔だった
「あの2人、イチャつきやがって…」
それにイライラするのがゴッド&デビルであった
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作者名：真灯 | 作成日時：2024年2月29日 19時
