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「で、体はもういいのかよ野坂」
灰崎は野坂に問う
「心配をかけたみたいだね。試合前の最後の検査がギリギリになってしまったよ」
「ってことは試合に出られるのか？」
「ああ」
野坂は頷いた
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「あれが野坂悠馬か」
ナミのそばにいた一星がボソッと呟く
「(…戦術の皇帝とか呼ばれてるやつだよな…)」
『(のさか、さん…？)』
ナミは顔をあげた
気づいたら友達が帰ってきていたのだ
『(のさかさんだ…！)』
ナミはバッ、と立ち上がる「！？」
みるみる顔を輝かせた
「ああ…」
一星はフッと笑う
ナミはニコニコしながら野坂のほうへ向かう
しかし一星はナミの手を掴んだ
「ダメですよナミさん。約束、忘れちゃったわけじゃないですよね？」
一星は囁くようにナミに伝えた
ナミはハッ、とした
「ナミちゃん！」
そこへ明るい声がやってきた
「(…さて、ナミさんはどう俺を楽しませてくれるんだろう)」と一星はニヤッとした
「ただいま」
野坂は嬉しそうに笑った
「ずっとずっとナミちゃんに会いたくてたまらなかった。手術かんばったんだよ？」
野坂はそっとナミに近づく
「よかった…ようやく会えた(はやく君を抱きしめたい…はやく大好きだよって伝えたい…やっぱり僕、君のことが好きなんだ)」
『っ…』
「…？」
野坂は不思議がる
いつもならきてくれるはずのナミが
今は引き下がって、
青髪の少年の後ろに隠れた
服をきゅっと握っている
「………へぇ」
野坂の顔に影がかかる「僕がいない間、浮気してたみたいだね。お仕置きはあとですることにして…」
「何かあるみたいだね、その2人」
野坂はニコッと笑った
「(…あの青髪の子、僕のナミちゃんに何したんだろう。あとで西蔭にたっぷり聞いておこう)」
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作者名：真灯 | 作成日時：2024年2月29日 19時
