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「ナミさん」
風丸に怒られると思っていたナミ
しかしナミの名前を呼んだのは西蔭だった
西蔭はナミを人気のないところへつれていく
ナミは困惑していた
「ナミさん。どうして、俺に守られてくれないんですか…」
西蔭は悲しそうに言う
眉が下がっていた
「また今回もあなたに傷を負わせてしまった…」
西蔭はナミの頬に触れた
「(俺が守るべきものはここにあるというのに…この小さな体…希望が詰まった優しい瞳…)」
「俺はあなたを守りたい。鬼道さんに言われたからじゃなく、俺自身が貴女を守りたいんです」
西蔭はナミに訴えかける
「(俺はあなたのことが…野坂さんよりずっと…だから守りたい…アンタを…この拳で…)」
西蔭は視線を下げる
ナミはどうしたものか、と西蔭の顔を覗き込む
ニッと笑い、西蔭の両頬をもんだ
『(にしかげさんがそんなかおするなんて…)』
「ちょ、ナミさん！何するんですか！」
西蔭は恥ずかしそうにする
耳が真っ赤になっていた
ナミはクスリと笑う
そして背を向けた
「ナミさん…？」
西蔭はナミの名前を呼ぶ
ナミは振り返った
ノーノーと指を横に揺らす。監督のマネだ
「“まだ待っていて…？”どういう意味ですか？」
西蔭は首を傾げた
ナミはへにゃりと笑うだけで
それ以上何も言わなかった
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作者名：真灯 | 作成日時：2024年2月29日 19時
