14 ページ14
、
一星は薬屋で消毒液や絆創膏を購入した
近くの公園でナミの治療をする
「おかしな話だよな。俺がアンタを守るなんて」
一星はナミの頬を拭う
「(まさか…俺が人を助けるなんて…おかしい…この女を見ているとどうにも自分が自分じゃいられなくなる…本当の自分にでもなった気分だ)」
ナミはぴくっと痛がった「我慢しろ。血が止まらないだろ」
『…(どうしてわたしのことたすけてくれたんだろう…)』
「そんな顔で見てくるな気持ち悪い」
『』
ナミは口をバッテンにした「ふっ、気持ち悪いと言っただけで黙り込むのがアンタ」
「さっ、怪しまれる前に合宿所に戻りますか」
どこか楽しげに一星は鼻歌を歌う
楽しそうなはずなのに一星の視線は下を向いていた
「(こんな感情…持つべきものじゃない。俺には…この子なんて必要ない。そうあるべきなのに…)」
、
、
、
合宿所に戻ってきた一星とナミ
するとやはり…
「ええっ！？円堂さんが警察に捕まった！？それにナミが不良に連れ去られた！？」
明日人たちが驚く
杏奈はあのときの状況をみんなに話した「(どうしよう…私のせいでナミや円堂さんが…ナミ、無事かしら…)」
と、そこでナミがいることに気づき、
杏奈は必死な声で「ナミ！」と名前を呼んだ
「どこ行ってたの！」
杏奈はぎゅっ、とナミを抱きしめた「ばか！なんで急にいなくなるのよ！心配でしかたなかったんだからね！」
ナミはごめんなさいと謝る
「ナミ、お前…その頬、どうしたんだ…」
灰崎が目を見開く
「(なんでこいつ…頬に切られたような傷があるんだよ…)」
「どこのどいつにやられた」
じっ、とナミを見つめる灰崎
「(許さねぇ俺の女に手ぇ出しやがって。ぶっ殺してやる)」
『ぁ…(えっと…)』
「ナミ…お前は何回傷を負うつもりだ…無理をするなとあれほど言っただろう！」
風丸は怒鳴る
っ…とナミは身を小さくした
「痛い？」と明日人たちが心配する
ナミはふりふり、と顔をふった
それよりもーー
「それよりも、で片付けようとするなよ」
風丸はニコッと笑う
きっとこのあと、説教が待っている
、
「仕方ありませんね。次の大会は円堂くんなしで進めるしかなさそうですね」
監督はそう決断した
、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：真灯 | 作成日時：2024年2月29日 19時
