挙動不審 ページ27
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真希と同じで、深碧がかった黒髪だとか目元だとか。髪は彼女のは真希より短いが面影を残すには充分で。
別嬪だな、と思った。
所作なども美しいし禪院家で習ったのかな、とも。
そのまま補助監督との会話を繰り返す彼女をぼーっと見ていれば____
「で?貴方が今日私と任務にあたる皇Aで合っ______」
『!』
彼女がこちらに目を向けた。
『あぁ、皇Aだ。そちらは禪院真依……で合ってるよな。今日は宜しく頼む』
不躾に見ているのもどうかと思い軽く会釈をして、挨拶を済ませる。そうして握手を求めようと彼女に手を伸ばせば______
彼女の方から、ぼんっ!と音がした。
『……え?』
目を向ければ、まるで熟れた林檎の様に赤くなった禪院が。…………いや、え?
「っあ、あ、貴方!!名前は!?」
『え?知らされていた筈では……禪院も先程呼んで居ただろう?皇Aだ』
「そ、そうだったわね!え、えぇ……」
先程も自己紹介した筈なのだが……しかも顔真っ赤だし挙動不審だし。
うん…?先程までは普通だったよな?顔色も良かったし問題だって無さそうだった。だが今はそれの見る影もないし……何故?
『…………禪院?』
「えぁ、なっ、に、え、なっっ、」
『?どうした、』
ぱくぱくと口を動かしている彼女。だが言葉が途切れ途切れで何を言っているのかが分からない。
……本当にどうしたのだろう。
「なっなななにかしら!?」
『いやこちらの方が何かしらなのだが。どうしたんだ?慌てている様に見える』
「ちがっ、いやこれは……い、いつもの事よ」
『?』
いつもの事、なのか?なら発作的なアレなのか…。全くもって分からないけど。
「そ、れより……今日貴方が私と合同任務にあたるんでしょう?」
『ん、あぁ。そこまで呪霊の等級も高くない様だし…協力して行こう』
「分かってるわ……ぁ、足引っ張らないでよね」
『?そうだな、お前は勿論の事、俺も怪我なく済ませよう』
…………本当に、何なのだろうか。
段々とだが読めてきた彼女の強気そうな性格。足を引っ張るなというのもその性格らしい言いぶりだ。
だが……
(落ち込んでいる…?)
足引っ張らないでよね、と。
そう彼女は自分で言ったというのにその言葉を悔いているかの様にズーン、と落ち込んでしまった。
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ルーナ(プロフ) - 泉くんが大好きです!更新待ってます。頑張ってください! (11月5日 0時) (レス) id: 02f6ea63a3 (このIDを非表示/違反報告)
つぢ - もうこの作品好きすぎて何度読み返したことか....更新待ってます!!無理のない程度に頑張ってください!! (2022年5月27日 0時) (レス) @page39 id: 544f7ac71d (このIDを非表示/違反報告)
わをん - わぁお…神作品に出会ってしまった!!!(?)3秒で全話読みましたね!!はい!!(??)これからも更新頑張ってください! (2022年4月11日 17時) (レス) @page39 id: 4f85a5269a (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - ばななさん» 有難う御座いますー!天才だなんてそんなっっっ、ご冗談が過ぎますわよ奥様……っ!!男主君褒めてもらえるのめちゃくちゃ嬉しいですw!乙骨くんも真依ちゃんも上手く書けていれば嬉しいですねw更新頑張ります! (2022年3月19日 18時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - れいさん» 男主君はただただ性格がイケメンであって欲しいんですよね……男前!って感じのねwこれからもどんどん愛されていきますので宜しくお願いしますw! (2022年3月19日 18時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2022年1月7日 20時