仲間 ページ1
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「_____A」
「__!!____Aくん!」
「目ェ開けろ!!A!!!」
嗚呼、誰か俺を呼んでいる。
気付けば里香は視界から消えていなくなっていた。
『里香____、』
里香に向かって手を伸ばした筈が……空を切る。もう彼女はいないのだから当たり前の事だが。
そして彼女が居なくなれば、自然と瞼が上がってきた。緩く暖かい微睡みが段々と覚めていく様な…ふわふわとした不思議な感覚だ。
『っん……、』
「!Aくん!!」
その感覚に促されて瞼を上げれば、ずっと闇を見ていた目に眩しい光が差し込んだ。
それに、くしゃりと少し眉根を寄せてしまう。
「だっ、だだ大丈夫!?怪我は治したけどっ長い間眠ってたからどこか体に悪い所があるのかと思って心配でっっ痛い所ない!?」
「おい憂太落ち着け」
…………嗚呼、意識がハッキリしてきた。
そうだ、夢の中で里香と会う前では夏油と憂太が戦っていたんだ…それでどちらかが死ぬかの攻防戦をして俺は倒れて運ばれ……
『……憂太…』
「はっ、はい憂太です!!!」
目線をずらせば、ボロボロの憂太が視界に移る。
……一見そこまで酷くない様に見えるが、やたらと擦り傷が多いし所々血が出ていた。
そしてその傍には夏油につけられた筈の傷が無くなった真希、棘、パンダ。痛みがない事から俺の体の傷も無くなっているのだろうか?
(……しかも五体満足で、憂太が生きている)
更に瓦礫の山と化したボロボロの高専。
周りに建っていた筈の五重塔や平屋が消し飛んでいるし、派手に暴れ回っていた事が想像できるが…
『そうか……夏油に、勝ったのか…』
憂太がここにいるという事は…憂太は夏油に勝ったのだろう。
そう微笑めば、憂太はぐっと唇を噛み締めたような素振りを見せ涙をぽたぽたと沢山零れさせた。
「!っうん…!!僕…守れたよ……っ!」
ここだけ傍から見れば、憂太は泣き虫に見えるのだろうが…彼は本当に凄い人物だ。
あんな状況でも激情を一片の理性で押し込んで行動した。
難易度の高い反転術式を取得した。
夏油に勝った。
これだけの事をして、彼が凄くないなどと誰がのたまえるのだろう?
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ルーナ(プロフ) - 泉くんが大好きです!更新待ってます。頑張ってください! (11月5日 0時) (レス) id: 02f6ea63a3 (このIDを非表示/違反報告)
つぢ - もうこの作品好きすぎて何度読み返したことか....更新待ってます!!無理のない程度に頑張ってください!! (2022年5月27日 0時) (レス) @page39 id: 544f7ac71d (このIDを非表示/違反報告)
わをん - わぁお…神作品に出会ってしまった!!!(?)3秒で全話読みましたね!!はい!!(??)これからも更新頑張ってください! (2022年4月11日 17時) (レス) @page39 id: 4f85a5269a (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - ばななさん» 有難う御座いますー!天才だなんてそんなっっっ、ご冗談が過ぎますわよ奥様……っ!!男主君褒めてもらえるのめちゃくちゃ嬉しいですw!乙骨くんも真依ちゃんも上手く書けていれば嬉しいですねw更新頑張ります! (2022年3月19日 18時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - れいさん» 男主君はただただ性格がイケメンであって欲しいんですよね……男前!って感じのねwこれからもどんどん愛されていきますので宜しくお願いしますw! (2022年3月19日 18時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2022年1月7日 20時