偉大なる死 ページ27
あンのマンモーニ、無茶しやがって。
確かにお前には飛び抜けた才能がある。だが敵陣に乗り込んで全員の首取れる程のタマには育ってねぇんだ。
「…チッ」
アイツらが本気で気づいていない訳はない。
ただの青年をわざわざここじゃあない場所へ移動させるか?どうみても1人の奴に「連れ」がいるかだなんて聞くか?
…アイツらは恐らく俺らの正体に勘づいた上でああ言ったんだろう。そして今頃は…今頃は。
「…ペッシ」
始末されているか、はたまた拷問されているか。
どっちにしろアイツには重すぎる痛みだ。
…何故俺はあの時動けなかった?弟分が危機に瀕していることぐらい分かってたはずだ。…被害者のフリをすればアイツらに近づいて直で老けさせることぐらい可能だった。
なのに、俺はただアイツらとペッシの会話を見ていた。何も行動しようとせず、ただじっと。
「…」
…いや、過去の事を後悔したってどうにもならねぇ。今はただ、アイツらを始末してボスの娘を奪うことだけを考えろ。
それでいい、それがいい。
扉の外から足跡がして、吐きかけた息を飲み込む。
…アイツらだ。
「おいAよぉ、本当にここに居るんだな?もう1人のスタンド使いって奴が…」
「…多分だけどね。僕らにはもう時間が無い。さっさと済まそう。」
来たのは前と変わらずミスタとAの2人。
…ああ何だ、俺の存在にすら気づいてやがったか。
「恐らく、列車内の状況から推測して老いさせるスタンドだと思うんだ。」
「ほぉ」
足音が近づく。
「そんでもって体を冷やすことで老いを回避できる…かも。落ち込んで体温が下がってたミスタの方が老いの進行が遅かったからね。」
「それで突然感情弄ったのか…別に言っても良かったんじゃあねーか?」
「んー…ふふ、そこまで頭回んなくて」
何故か俺は何も出来ずに足音を聞いている。
焦りは募る。何かすべきだということだけは分かる。だがどうするべきかは分からない。
「で、候補はついてる。」
「だろうな」
「…あれっ驚いてくれないんだ」
すぐ近くで話し声が聞こえる。
「だってよぉA、お前のそのニヤつき方。…企みの何もかもが上手くいった時と全く同じだからな。」
「あ、そう?」
車内に子供らしい笑い声が響いて、鼓動が早くなる。呼吸が苦しくなる。ああ、そうか。俺はもうコイツの手中に…
「ね、じゃあ君もお仲間さんのとこに行こうか?」
そんな声と共に差し出された鏡の破片が光を反射して、ただただ、眩しかった。
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凶羅(プロフ) - マンゴスチンさん» やったぁぁぁあ!!!ありがとうございます! (2019年3月7日 17時) (レス) id: ca5c371e19 (このIDを非表示/違反報告)
マンゴスチン(プロフ) - 凶羅さん» えへへ初コメント共にお褒めいただきありがとうございます!!とても分かりますギアッチョ可愛い!!VSギアッチョの話書いてて楽しかったです!!ではギアッチョとの絡みが沢山書けるように頑張りますね! (2019年3月6日 22時) (レス) id: 10c8e330c1 (このIDを非表示/違反報告)
凶羅(プロフ) - ンア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!ギアッチョ可愛すぎて辛い!更新楽しみにしてます!主にギアッチョとの絡みを!推しがギアッチョ故に悶え死にそうでしたw (2019年3月4日 0時) (レス) id: ca5c371e19 (このIDを非表示/違反報告)
マンゴスチン(プロフ) - 操菜 荘椏さん» ありがとうございます!頑張ります!\(*・∀・*)/ (2018年12月24日 23時) (レス) id: 10c8e330c1 (このIDを非表示/違反報告)
操菜 荘椏(プロフ) - 了解です!応援してます! (2018年12月24日 22時) (レス) id: 973a3c6c76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マンゴスチン | 作成日時:2018年4月5日 13時