二十八 ページ30
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蝉の音が今日はやけに煩い。そういえば此処は夏だった。本丸は何時も春に設定している為、「夏」というものに慣れていない。
「春夏秋冬を順番に来るように設定するべきですかね。歌仙さんにもそう云われていたような……」
「季節のことか。うちの本丸は何時も春だからな」
鶴丸さんは「桜が咲いていないなんて新鮮だな」と呟く。
「鶴丸さんは好きな季節とかありますか?」
「冬だな。雪を使って驚きをもたらすぜ?」
そう云われ、数年前、雪に同化していた鶴丸さんに気づかずに近づき、驚かされた日のことを思い出した。
「ぼくはあきがいいです! あわたぐちのことたくさんあそびたいので!」
「成る程、秋ですか……」
矢張りどの季節にも魅力がある。帰ったら設定を変えてみよう。帰ることができたらの話だが。
「……ん?」
ふと目に入った路地裏。其処で何か影が動くのが見えた。
「誰かいるな」
三日月さんも気づいていたようで、路地裏に近づいていく。
「若しかしたら他の三人がいるのかもしれない。主、行ってみようか」
鶴丸さんは此方の承諾を得る前に駆け出した。それに今剣、三日月さんが続く。
「えっ、皆……!」
速く走れるわけではない私はあっという間に離される。やけにこの路地裏は長い。
「待ってください! ねぇってば!」
置いていかれないよう此方も速度を上げた。暑い中走るのは少し辛い。
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織川(プロフ) - カティさん» ありがとうございます!続編でもぜひぜひよろしくお願いします……! (2018年3月25日 14時) (レス) id: f371f8209b (このIDを非表示/違反報告)
カティ(プロフ) - 続編おめでとうございます!とても面白い作品ですね(*^^*)尊敬します! (2018年3月24日 9時) (レス) id: 0319e8dbc2 (このIDを非表示/違反報告)
織川(プロフ) - 花凪@南アルプス天然水さん» ありがとうございます……!! (2018年3月21日 14時) (レス) id: f371f8209b (このIDを非表示/違反報告)
花凪@南アルプス天然水(プロフ) - はい神作。うん。 (2018年3月19日 10時) (レス) id: 883e9e7f0a (このIDを非表示/違反報告)
織川(プロフ) - サッピーさん» ありがとうございます……! いつもこんな感じでいいのかな、と不安だったのですがサッピー様のコメントで不安吹き飛びました! 更新がんばります! (2018年3月5日 16時) (レス) id: f371f8209b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:織川 | 作成日時:2018年2月25日 11時