平行する文豪の世界【文豪とアルケミスト】【文豪ストレイドッグス】

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本部へ行き、先生方の目撃情報がないかと来てみたが、めぼしいものはなかった。侵蝕者の情報は相変わらず多いが今、私が求めているのはそれではない。


閑静な廊下を歩いていると向こうから見知った顔が見えた。


「中原幹部、これから任務ですか？」


「……水原か」


帽子を目深に被っているため、どういう表情を浮かべているかわからない。声色からして少し機嫌が良さそうには見える。


「……件の組織、殲滅命令でも出たんですか？」


侵蝕者が現れるよりも前、まあまあ仲が良かった組織が突然ポートマフィアを裏切った。武器や積荷を横流しされたわけではなく、いくつか情報を流されたのだがそれは重要なものばかり。首領もこの時ばかりは怒りを露わにしていた。


「主犯は首領の予想通り副社長。22時に襲撃予定だ。……面倒なことに他の構成員は変な化け物のせいで行けなくなったらしくてな、俺が代わりに行く」


「……おひとりで？」


「嗚呼」


さすが五大幹部と云うべきか。凡人にはできないことをすぐやってのける。


「えーと……がんばってください」


「直ぐに終わるだろうよ。手前はこれからどうすンだ」


「変な化け物とやらがいないか巡回してきます」


勿論嘘だ。先生探しに専念しなければならない。挨拶をしてその場を離れた。先生は何処にいるだろうか。

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