十二 ページ14
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「あー、もう! 何でこうなるわけ!? オダサクは!? 中也……はいなくても大丈夫。怖いし」
「最後、本音漏れてるぞ」
街の真ん中で悲痛な声をあげているのは第一会派の太宰治。そしてそれを宥めているのは同じく第一会派の坂口安吾。安吾の何時も通りの服装に対して、太宰は赤が中心の服から目立たないものになっていた。
「服は全然趣味に合わないしオダサクともはぐれちゃうし……俺って世界から嫌われてんの?」
第一会派は四人揃ってヨコハマに向かった筈だった。それが何故か、今は中也と織田がいない。今にも死んでしまいそうな太宰を激励し乍ら、安吾は違和感を抱いていた。
「……なぁ太宰。此処に来た時のこと、覚えてるか」
安吾にはどうやってヨコハマに来たのか判らなかった。「気づいたら此処にいた」という事だけが判っている。
不気味だな、そう呟いて辺りを見回す。
「此処に来た時のこと? そんなの今はいいでしょ。安吾も早くオダサク探さなきゃ。心配だろ?」
「……まぁ、そうだな。早く探すか。……もちろん中也もな」
不満を漏らす太宰と共に安吾は街の喧騒に紛れるようにして歩き出した。第一会派が揃った後は司書を探さなければならない。
「……有碍書、みたいだな」
「安吾、何か云った?」
「いや、何でもない。ほら、行くぞ」
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あいねこ(プロフ) - 更新はこれで終わりなのですか?とても面白かったので再開して頂けたら嬉しいです! (2020年8月23日 11時) (レス) id: a4bed0c9af (このIDを非表示/違反報告)
織川(プロフ) - 涼花凛娘さん» コメントありがとうございます……!そのようなお言葉が頂けるとは……恐縮です。これからもがんばります! (2018年3月16日 14時) (レス) id: f371f8209b (このIDを非表示/違反報告)
涼花凛娘(プロフ) - とても面白かったです!文ストと文アルのクロスオーバーは最近増えていますが、どの作品とも似ていない…といいますか。とにかく素晴らしいです!此れからも頑張ってくださいね! (2018年3月15日 19時) (レス) id: ff189753ce (このIDを非表示/違反報告)
織川(プロフ) - 巫子さん» ありがとうございます! 文アルと文ストのクロスオーバーを書くにあたって絶対会わせたかった二人なので私も書けて楽しいです! 更新がんばります! (2018年3月14日 20時) (レス) id: f371f8209b (このIDを非表示/違反報告)
巫子(プロフ) - 太宰さんとオダサク!!これからの展開が楽しみです!更新待ってます。 (2018年3月13日 22時) (レス) id: c9541627c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:織川 | 作成日時:2018年2月25日 17時