二 ページ4
.
目を覚ますと木目の天井が見えた。横には綺麗な女の子。私と同じくらいの歳……だろうか。慌てて部屋を出てしまい、私一人が取り残される。傍らに置かれた携帯には尾崎幹部からの着信がかなりあった。ふと、扉の開く音がして視線を寄越す。
「先ほどは驚かせてすみません。少しお話はできますか?」
黄色いタコがいた。寝台から飛び起き、距離を取る。
「ニュヤ!? いや、あの、お話を……」
「話、ですか?」
喋る。このタコかなり喋る。おまけに人間味が強い。
「いきなり校庭に現れた理由やご家族は何処にいらっしゃるのか……など」
「え……家族?」
私の家族は残念ながらいない。龍頭抗争で亡くなってしまった。その後にポートマフィアに拾われたので、家族は一応ポートマフィアになる、だろうか。
「おいお前! 勝手に姿を見せるんじゃないとあれほど!」
突然黒髪の男の人が入ってきた。タコに怒鳴り、出て行くよう指示している。私はそれを呆然と眺めた。
「すまない、俺は烏間惟臣。此処の教師だ」
「教師? あのタコはなんでしょうか」
「いや、あれは……」
答えに戸惑う烏間さん。窓から逃走しようかと考え始めた私の耳に聞き慣れた着信音が響いた。
「あっ、一寸失礼します」
烏間さんは部屋から出て行き、私一人になる。尾崎幹部からだった電話に出ると途端に悲痛な声が響く。
「A!? 大丈夫かえ? 今向かっておるからのう」
「なんで私の場所を……?」
「お主を飛ばした異能者に吐かせただけじゃ。あと其処にいる教師には会ったかのう? 若し会ったら――」
ごくりと息を飲む。少し間を置いて尾崎幹部はこう云い放った。
「「私は転校生です」と云うように頼むぞ」
417人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
イゼッタ(プロフ) - 好きです!更新頑張ってください!!!!!! (2018年9月17日 5時) (レス) id: 1f346eff48 (このIDを非表示/違反報告)
織川(プロフ) - シャーペンの芯さん» ありがとうございます。更新がんばります! (2018年9月6日 19時) (レス) id: 2267f378c3 (このIDを非表示/違反報告)
シャーペンの芯 - 森さんて渚くん云うから、え!?首領!?と思ってしまいましたwwwすいません。面白いので頑張って下さい〜。 (2018年9月2日 18時) (レス) id: dd9eae3b3c (このIDを非表示/違反報告)
織川(プロフ) - 更新遅くてすみません!!私事でこれからも遅くなる可能性がありますが完結できるようにします……! (2018年9月2日 15時) (レス) id: 2267f378c3 (このIDを非表示/違反報告)
ベリー(プロフ) - Wktk (2018年8月20日 21時) (レス) id: 55a2b59901 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:織川 x他1人 | 作成日時:2018年7月29日 15時