【白猫】向く方向は空の上【ユキムラ】 (ページ5)

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じんじんて。ページ5

目を見開き再確認。

足元、というかおしりのした。

それは芝生ではなかった。

「…なんか…ごめん。」

「できれば降りてくれると助かる。」

仰向けになったユキムラさんだった。

走って飛び付いてきたのだろうか。

髪がボサボサだった。

私は急いで降りた。

空の上のアイザックは今頃馬鹿にしているだろう。

腹を抱えて笑う姿が浮かぶ。

「…………、泣いてるのか？」

「ぁ…ほんとだ…」

目の下を拭う。

最近は泣いてばかりだ。

アイザックのことを考えると涙が溢れる。

止まることを知らない。

「ごめ…止まらないや…ッ…ズッ…とまれ…とまれ…！」

顔中ぐしゃぐしゃにして涙を溢す。

だめだ。人前で泣いちゃ。

相手が自分のせいだと勘違いしてしまう。

ユキムラさんが、自分で受け止められなかったからと思わせてしまう。

てらされた月明かりが雲によって閉ざされた。