75. 指揮官 ページ38
《三輪先輩見えました。》
「了解、太刀川さんは無傷で勝って私のヘルプに来てください。
烏丸くん、太刀川さんの援護よろしく。
出水はそろそろ東さんの射程圏内のはず、一発打ってきたら、東さんと三輪の間に入る位置に移動してバッグワーム起動。」
《はいよ。》
スナイパーなら普通は一対一になりかねない場所は避けるはず。
こちらとしても出水と一騎討ちしてくれるのはありがたし、反対に避けて三輪との合流が遅れてくれも嬉しい。
指揮官が東さんなら、詰みだったがこれなら……。
「……！」
どう言うことだ。
私を狙っていたはずの二人のレーダーが消える。
奇襲には遅すぎる、どう見ても私の方へ向かっているのはバレていた。
警戒している相手には奇襲なんて意味ないし、二宮さんのフルアタックを封じてまでやる意味はない。
となると、選択肢は二つ。
一つ目は、初めから三輪を囮にするつもりで指示を出し、私たちを分断。
そして、東さんの所で一人囮役をする出水を三輪以外の3人で確実に落とす。
私が三輪にやろうとしていたものを、そのまま出水にかけなおす作戦だ。
二つ目は、上記の策に見せかけて私を誘き出し集中砲火、私が来なければ結局そのまま出水を落とすつもりか……。
見捨てるか、助けるか。
三輪を落とせば、出水がやられても痛み分けで済む。
だが、その場合は――……
《――パァン》
停滞した思考は銃声に掻き消された。
迷う暇を与えないテンポの良い場面展開。
これは、東さんのやり方じゃないか……？
《A！東さん撃ってきたぜ。》
「〜〜っ。
作戦変更、私は出水と合流する。
出水の方からも出来るだけ私に寄ってきて。」
《了解。》
初めから東さんが指揮を取っていたなら、戦力を分担せずに前衛3人で私を狙い、フォローに来た隊員を狙撃したはず。
そうすれば、狙撃+私で太刀川隊は早々に半壊するはずだった。
つまり、始めは三輪が指揮を取っていたが、途中で東さんに切り替えたのだろう。
「出水、物影を出るときは北方向に集中シールドを展開するように。」
《北だけで良いのか？》
「うん、それで東さんは打って来れなくなる。」
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origamisakura(プロフ) - ばぐさん» 連日ワートリの関連ランキングに載っていらっしゃる作者様に見て貰えているとは恐縮です！綺麗な文章だなんてとんでもない。お褒めいただいて嬉しいです。コメントありがとうございます！ (2020年12月9日 0時) (
レス) id: 6da1c3afc2 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - コメント失礼します。とても綺麗な文章と素敵な展開に感動しました。更新楽しみにしています。頑張ってください！ (2020年12月8日 19時) (レス) id: a81a0b3a5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：*佐倉照* | 作成日時：2020年12月3日 7時
