68. 祝賀会 ページ31
「かつカレーを一杯。」
「あの……。」
この状況を作り出した張本人、風間蒼也は呑気にカツカレーを注文している。
生暖かい視線がこんなにむず痒いものだとは知らなかった。
嫌悪よりも不愉快な微笑ましい眼差しは全て私に注がれている。
「これは、どういうメンバーですか……。」
左右は東と風間に固められ、正面には嵐山、三輪が並んでいる。
三輪は不服そうにただそこに座っている。
なるほど、今回の被害者は私と三輪の二人のようだ。
"じゃあ、何処かへ出かけるか？"
(※『41. 風間蒼也』参照)
あの時の風間さんとの軽率な約束が、こんなことになるとは思わなかった。
「三輪と嵐山と東さんからは隊結成祝い、俺からは個人戦ランク3位昇格祝いだ。」
「どんな嫌味ですか……。」
出水との一件で迷惑をかけた三輪と嵐山さん、決闘の為に教えを請った東さんからの入隊祝い。
絶対に素直に喜べないお祝い3人分……。
とりあえず三輪と嵐山さんが考えたことではないのは分かった。
というかどう考えても悪いのは左右の二人だ。
東さんにも太刀川さん同様アイビスについては、チームランク戦出場メンバーには秘密にするようお願いした。
企んだのは風間さんで、人を呼んだのは東さんか？
これだから一見良心側の二人は厄介なんだ。
私の懐疑心を感じ取って、和やかな微笑みを浮かべる東さん。
その顔はこの前諏訪と冬島をカモにした時のそれではないのか。
何か良心的でないことを考えている空気は感じるが、その内容が分からない今それを止める手段を私は知らない。
「俺からは、太刀川との引き分け祝いも付けておいてくれ。」
「太刀川さんと引き分け！？凄いな。」
案の定余計なことを言った東春秋と、感嘆の声を漏らす嵐山さん。
三輪と風間さんも目を見開いているあたり、東さんしか知らなかったらしい。
そのうち太刀川さんから勝敗くらいは漏れるだろうし、まだマシな展開だ。
「東さんのご指南のお陰ですね。」
「指南？」
私がアイビスを使ったことを知らないメンバーは、何を教わったんだとざわつきだす。
私と太刀川さんの決闘はログに残していない。
私が東さんから"攻撃手1位と引き分けるほどの隠し技"を得たのだと勘違いさせておけば、今後のランク戦ではそれに警戒が集まる。
東さんも私の考えを汲んでか、話を逸らしてくれるようだ。
「隊長は太刀川の方に譲ったらしいな。」
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origamisakura(プロフ) - ばぐさん» 連日ワートリの関連ランキングに載っていらっしゃる作者様に見て貰えているとは恐縮です！綺麗な文章だなんてとんでもない。お褒めいただいて嬉しいです。コメントありがとうございます！ (2020年12月9日 0時) (
レス) id: 6da1c3afc2 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - コメント失礼します。とても綺麗な文章と素敵な展開に感動しました。更新楽しみにしています。頑張ってください！ (2020年12月8日 19時) (レス) id: a81a0b3a5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：*佐倉照* | 作成日時：2020年12月3日 7時
